トランプ関税乱発が大統領の越権行為と訴えられ、一審も二審も、支持した後、最高裁に持ち込まれたことは、既に書いた。
ここで、問題は、最高裁もトランプ色が強いとはいえ、決定に時間がかかるということ。来年に持ち越される可能性もあり、トランプ氏もイライラ気味。トランプ組の若頭ともいえるベッセント財務長官も、米国財政の司令塔としてやきもき。関税収入を膨張した財政赤字の穴埋めに当て込んでいた。
仮に、来年になって、最高裁の司法判断が、関税無効となると、それまで徴収した関税の収入を払い戻さねばならない。この窮状に、さっそく関税交渉相手諸国に足元みられ始めたと、つぶやいていることが報道された。
このタイミングでの日米関税交渉決着。日本側にはラッキーな展開。日本は重要な同盟国でもあり、この際、日本は片づけておいて、他国との関税交渉に集中したほうが得策と判断したのであろう。石破政権にとっては、タナボタだね。
いっぽう、大統領のFRBへの政治的介入は、露骨で、クックFRB理事を、住宅ローン不正疑惑で、起訴。その疑惑とやらは、重箱の隅をつついた程度の話。それでも有罪となれば、FRB理事解任の条件を満たすことになる。クック氏側は猛反発。同氏は初の黒人女性のFRB理事として注目された存在。幼児時代に白人に虐められたときの傷跡が今も生々しくカラダに残っているという。かと思えば、ロシア語も堪能という才女。「ダイバーシティー=多様化」の時代を象徴するが如き存在だ。トランプ氏への風当たりは益々強まりそうだが、冷静に見れば、FRB乗っ取り作戦が、着々進行中といえる。市場も、その可能性を織り込み、米国売り(米株、米ドル、米国債の同時売却)に身構えている。
そこで、金が安全資産として買われたわけだが、昨晩は、やっと金価格急騰が一服。上げが過熱気味だったうえに、今晩、最重要経済統計である雇用統計発表を控える。なお、プラチナも大幅に連れ安となった。やはり、逃げ足は速い投機マネーだね。もともと、投機的地合いを冷ややかに見ていた筆者には、当然の利益確定売りの連鎖と映る。しかし、投機マネー側も、これで引き下がるようなこともあるまい。ちなみに、ゴールドマンサックスは、米国債の民間保有分の1%が金にシフトすれば、金価格が5,000ドル!との予測を正式に発表した。
本稿執筆時点(午前11時)では、ロコロンドンで3,550ドル↓
NYのファンドと話していても、代替投資(オールタナティブ)として、金買いの事例が増えている。
ポートフォリオ運用のなかで、一つのアセット・クラスとして金が定着したといえよう。
なお、北京での中国・ロシア・北朝鮮のトップ集結も、潜在的地政学的リスクとして、ジワリ効いている。
さて、今日の写真は、札幌郊外のゴルフ場。ススキが本格的。
当初の計画では9月初旬に帰京の予定であったが、とても、そんな気にはなれないね~


