まず、昨日の本欄でジャクソンホールでは黒田発言無しとしたが、ブルームバーグが以下の通り報道している。


「賃金と物価が安定的かつ持続可能な形で上昇するまで、持続的な金融緩和を行う以外に選択肢はないとジャクソンホールのパネル討論会後の質疑応答で語った」日本のインフレ率については、「年内は2%または3%に近づく可能性があるが、来年には1.5%に向けて再び減速すると予想していると述べた」と語っている
パウエルFRB議長の先制パンチ後に、黒田氏が何を言っても、日米金融政策の違いが際立つばかりだ。円安140円台突入も現実味を帯びてきた。


それから、昨日本欄で「株安と失業増、パウエル氏どこまで容認」について吟味したが、早速、カシュカリ・ミネアポリス地区連銀総裁から「ジャクソンホール後の市場の反応は「歓迎」との発言が飛び出し、ウォール街の話題になった。
「これで我々のインフレ退治に関する本気度が分かったであろう」と、してやったりと言わんばかりだ。
ジャクソンホール前の市場では、「今年は利上げ、来年は利下げ」のシナリオが真夏の株高を誘発していた。
その楽観シナリオが今や崩れた。
「市場は誤解していた」と語るカシュカリ氏は、超ハト派であったが、その後超タカ派に転じた。
筆者は、パウエルFRBの「番頭役」と位置付けている。
市場の神経を逆なでするような発言に、市場内では不快感も醸成されている。


とはいえ、パウエルFRB内では「株価は基本的に金融政策の変動要因ではない」との位置づけだ。
しかも、FRB高官による個人的株投資が批判され、辞任に追い込まれる事例が相次いで起こったばかりだ。
FRB高官もうっかり株価に言及すると、あらぬ疑いをかけられかねない。
バイデン大統領も、株価とは距離を置く。
トランプ前大統領が株価を政権の通信簿と位置付け、株価が急騰すると「したやったり」とばかりに記者会見で語ったこととの対比が鮮明だ。
バイデン氏は、雇用統計で新規雇用者数が増えると、必ず記者会見で誇らしげに語る。
しかし、労働市場の過熱がインフレ要因となると、事情は異なる。
まして、失業率上昇がインフレ鎮静化を映すと解釈されると、失業増の評価にも、うっかり言及できない。
ジャクソンホールのパウエル講演に、バイデン氏も困惑しているかもしれない。


さて、今日の写真。

 

豊島氏とキツネ

北海道のニドムクラシックコースで、私とキタキツネの対話(笑)
遠景で判別しにくいけどね。
「バンカーに打ち込んじゃったね。ボール当たらなかった。ところで、このバンカーからピンまで何ヤード?フックライン?」
「知った事かい」(笑)