イタリア政治経済不安が市場を直撃したときは、NY金価格が上がらず1,300ドル以下、イタリア・リスクが後退すると、金価格が1,305ドルへ上がってきました。

前回本欄でも、金はもっと上がってもよさそうなのに、と書きました。

要は、金市場が政治・地政学要因に対して鈍感になっていると感じます。

リスク慣れしたとでもいいましょうか。

金価格が今になって上がってきたのは、結局、金利要因だと思います。

最新FOMC議事要旨で、利上げは急がずゆっくりしたペースで、というニュアンスが感じられ、今年の利上げ回数も年4回説の確率が11%にまで急落したことは、金利を生まない金にとっては安堵材料です。

年3回のペースなら、金価格も下げにくい、と今朝の日経朝刊マーケット面でもコメントしました。FRBは、既に3月に利上げして、6月利上げもほぼ100%の確率と見られています。

今後9月、12月に利上げ継続するのか、が市場の関心事なのです。

まだ、秋冬まで時間はタップリあるので、予断を許しませんが、現状は、9月は利上げ見送り、12月に今年3回目の利上げか、との観測が優勢になっているわけです。

9月利上げ、12月は利上げ見送り、のシナリオも「あり」です。

賃金・物価の伸び悩みが、やはり主因。来年には、景気循環サイクルの最終段階に入り、利上げどころか、利下げの心配をせねばならぬ経済環境になるかもしれません。

今回の利上げサイクルも、最終的に3%程度で打ち止めになる、との観測も目立ちます。

保護主義、新興国不安が経済減速要因として効いていますね。

IMFは巨額の累積債務問題を抱える中国の経済成長率が年5.5%にまで落ちると見ています。

米中貿易戦争も、まだ「ライブ」ですから、要注意です。