円相場が日本時間昨日夕刻の105.60円台からNY時間には107円台に迫る急落を演じた。
ほぼ一貫して円売りが続いたかたちだ。
ドル金利は伸び悩み、VIX(恐怖指数)は23台まで上昇しているので、金利差・リスクオンが理由とは説明できない。
NYのアナリストたちも説明に窮して「ミステリアスな円安」と当惑気味だ。
イースター休暇前の通貨投機筋によるドル売りポジション手仕舞い、というところが「無難な後講釈」とされる。
この煽りを受けた金価格は1,345ドルから1,325ドルまで急落。
1,350ドル突破したところで頭を叩かれていたが、昨晩NY市場で一気に下がった。
(価格グラフ添付、緑線が昨日)
原油もドル高で急落している。
コモディティにドル高は天敵だ。
いっぽう、日本株には朗報だが、マーケットは「未だ信じられない」「うっかり乗ってハシゴ外されるのでは」と、未だ疑心暗鬼だ。
このような市況の法則に反する動きが、相場は生き物といわれる所以だろう。
それにしても、最近は説明できない動きが目立つ。
金融政策が超緩和から引き締めへ方向転換する時期で、市場の神経過敏を映す現象ともいえよう。
いずれにせよ円高⇒株安⇒円高加速⇒株安加速の負の連鎖に、短期的にせよ歯止めがかかったことで、イースター明けに、投機筋がドル売り円買いを仕掛けにくくなった可能性もある。
まだ円先高感が強いが、潮目が変わる兆しなのか、注目される。
なお、市場では、LIBORじり高現象とイールドカーブのフラット化が不安視されている。
LIBOR上昇は、金融市場にとって「異音」だ。銀行の資金調達コストが上がることは、資金需給がタイトになっていることを示す。
為替ヘッジコストも上昇する。
イールドカーブは年内に長短逆転さえ可能性として語られる。
短期金利はFRBが上げるが、長期金利はマーケットで上がらない。
景気後退の前兆とされるので、気になる現象だ。