私は、1月10日日経朝刊の「2019年金価格展望」で、1425ドルを予測。更に、「利下げとなれば1500ドルも」と記した。それゆえ、今日の話は、ど真ん中の核心を突く。FRBが利下げを強いられるような事態は、急激な景気後退など、かなり破壊的経済シナリオが前提となるからだ。

 

イエレン前FRB議長が、米国経済テレビに生出演して「中国・欧州減速が米国経済に波及すれば、利下げも『勿論』ありうる」と発言した。2019年「リスク・シナリオ」として「利下げ」の可能性を指摘する民間エコノミストは少なくない。しかし、前FRB議長の発言となると、市場も看過できない。もし、同氏が現職中に語ったら、市場は大混乱に陥ったであろう。

とはいえ、同氏は2019年については、米国経済成長率3%程度を見込む。「もし私が201812FOMCで金利予測していたら、2019年利上げ2回と書いたであろう。しかし、不確実性が高いので、予測レンジは広く取らざるを得なかったであろう。」と語った。

更に、バランスをとり、「利上げ」の可能性も「両論併記」している。総じて、2019年利上げ棚上げ、その後、データ次第では利下げ、というシナリオが現実味を帯びる。

その場合、3%にも満たない利下げ幅ゆえ、FRB資産圧縮停止などが、補完的緩和措置となろう。

その資産圧縮について、パウエル現FRB議長は、「自動操縦」と語り、予定通り粛々と進めると解釈され、市場が混乱した。その「自動操縦」という用語は実はイエレン氏が使ってきた言葉だ。「きっちり資産減額ペースを決め、開示して、粛々と進める」という意味であった。パウエル氏としては、その路線を受け継ぐという気持ちで引用して語ったのであろう。しかし、相場は生き物。同じ単語でも、市場環境、発言者が変われば、市場の解釈は異なる。

ちなみに、イエレン氏は、利上げが米国民間部門の巨額債務に与える影響に警鐘を鳴らしている。

なお、退任1年以内のFRB議長の発言は、鮮度が高く、市場でも注目される。一般的に、講演料は10万ドルを下らないとされる。それでも、依頼は多い。但し、賞味期限は退任後1年だ。

最近、高額講演料で話題になったのは、ヘイリー前国連大使だ。一席20万ドル、更に、プライベート・ジェットでの往復が条件とされる。トランプ政権元重要人物の話を聞きたがる聴衆は多く、実際に講演に駆け回っているという。

さて、今日は名古屋でゴールドセミナー講演してきた。今や旬の商品なので、150人の会場は満席。参加者の食いつくような目力に、ステージで圧倒されそうになったほど。来てるね~~これは~~~

それから、今日の日経朝刊商品面に「金銀格差、リーマン並み83倍」「金に逃避マネー、世界経済の不安映す」との興味深い記事あり。

産業用メタルの銀は景況感悪化で売られやすく、安全資産としての金は買われやすいので、金銀比価が急上昇しているという話。