kitcoグラフ


プーチン大統領が28日にモスクワでアフリカ諸国との会議を開催。
AI開発協力や決済網整備を通じ貿易額を倍増させる意向を示している。
その中に、アフリカでの金鉱山開発・生産援助も含まれる。

今や、アフリカ諸国の金生産量は年間1,000トンを超え、世界の地域別でも断トツの伸びだ。
歴史を辿れば、そもそも南アが世界の金生産の7割以上を占める時代があったが、今や、掘り尽くされ、代わって中部アフリカ地域の中堅アフリカ諸国が金の生産を増やしている。

そこに「開発援助」の姿勢を示しているのが中国とロシア。

中国については、下記の本欄原稿で詳述したところだ。
中国がアフリカ産ゴールドを囲い込み | 豊島逸夫による金市場の解説 ブログ一覧 | 豊島逸夫による金市場解説 | ブログ | 「金の果実」シリーズ|三菱UFJ信託銀行 https://share.google/AFxkEGjurYcXzb9sn 

ロシアについては、旧ワグネル(民間軍事組織)を通じて、中央アフリカ産の金をスーダンから空輸でロシアに持ち込むなどの事例が報道されてきた。

今回のモスクワでのアフリカ諸国会議でも、アジェンダの中に金生産援助の項目が見られる。

長期的に自国の金保有増を目指すロシアにとっては、恰好の機会だ。
ロシアの中央銀行の金保有増加傾向に加えて、ロシア国民は、超インフレに悩まされ、インフレヘッジとしての金買いに走っているが、肝心の金の現物在庫が払底している。
いっぽう、ロシアは国内経済凋落の中で、公的保有金の売却をせざるを得ない状況にも置かれている。

それゆえ、アフリカ産の金獲得は国家戦略としても重要な案件なのだ。
かくして、中央アフリカ地域で中国とロシアが金生産援助を巡り、火花を散らす。

さて、金価格だが、またもや4,000ドルの大台を一時割り込んだ(冒頭KITCOグラフ、緑線)。
貴金属セクターでプラチナ・シルバーの下げはもっときつい。

昨晩は、NY株式市場でAI関連株が売られ、投資マネーが米国債に逃避。
その結果、ドル短期金利が急落。外為市場ではドル安。
本来ならば、金が買われてしかるべき市場環境だが、NYでは投機筋の間で金人気が薄れている。市場の地合いが悪いとしか言いようがない。
それでも、4,000ドルを割り込めば、押し目買いが、民間でも公的部門でも増える傾向が強い。

プラチナ・シルバーには、中央銀行の買いのような強い買い支え要因がないので、下げの速度も加速している。