一昨日開催されたFOMCについて、筆者が感じたことを以下に述べておく。
今回のFOMC後のパウエル議長記者会見は、想定された質問に想定されたパウエル議長の答えばかりが目立った。年内利下げ予測に関して、「利下げ無し」が前回の4名から7名に増えたことが、目を引いた程度。そもそもトランプ氏の発言一つで、経済見通しも大きく変わるので、ドット・チャート(FOMC参加者の政策金利予測の分布を示すグラフ)の信頼性も揺らぐ。パウエル氏も、これまで常に「データ次第」で決めると語ってきたが、今や実質的に「トランプ氏次第」となった。「FRBには逆らうな」と市場では言われたものだが、今や「FRBをあてにするな」が合言葉になっている。もはやパウエル議長のレーム・ダック化が、そろり進行している印象さえ受ける。同氏が「利下げ」の可能性を語るときは、「インフレ収束、或いは、労働市場の悪化」が条件であることを、今更のように丁寧に説明する。トランプ氏の利下げ要求に屈したとの印象だけは避けたいとの思いなのか。
さすがに、記者団から、次期議長候補に名前を出して質問することは無かった。しかし、市場からは、そこを突いて反応を見たかった、との本音が漏れてくる。
現時点では、議長候補の本命がウォーシュ氏。大穴がベッセント財務長官。イエレン氏がFRB議長から財務長官に抜擢された前例もある。或いは、他の人物の名前を、トランプ氏が唐突に口走ることもありうる。
昨晩、筆者は、NY市場でのFOMCについてのズーム会議に参加したのだが、やはり話題は次期候補ばかりであった。
さて、今日の写真は、そろそろ旬になった「ウニ」。
一人で柵のウニを食べきる醍醐味(笑)
