本欄5月7日づけにこう書いた。
連休前には一時3,200ドル攻防の局面もあったが、その後切り返し、連休中に3,400ドル台回復。中期価格グラフの形は調整一巡で良くなった。この後3,500ドルを突破して続騰すれば異次元の金価格に。逆に3,500ドルで再び売られれば典型的ダブルトップで相場のアタマ形成となる。どちらに転ぶか、米中次第。明日8日にスイスでベッセント財務長官とグリア通商代表が中国側と会談する。ひとつの目安になりそう。
引用終わり
そして、今日現在、NY金相場は、3,300-3,500ドルのレンジで荒れた挙句、結果的に、添付のようなダブルトップを形成してしまった。危険な、頭打ちシグナルである。投機主導で3,500まできた相場ゆえ、気になる。
まぁ、罫線(チャート)は信仰みたいなものだ。信じようが信じまいが、個人の自由。筆者は長年の体験で、ダブルトップとなると身構える。
米中通商協議が、その試金石となりそうだ。
なお、短期的には、パウエルFRB議長が、利下げには慎重なので、ドル金利上昇→ドル高円安に振れている。これは虫の目で見た金市場。米英通商基本合意も金には下げ材料。
まぁ、政治要因が働く限り、今後の流れをじっくり見守るしかない。
なお、4月の金ETF,世界の販売動向が興味深い。
アジア 69.6トン ↑
米国 44.2トン ↑
欧州 0.7トン ↓
アジアが米国を上回った。アジア時間帯で金が上がる現象を裏付ける。
対照的に、欧州が減った。これは、金ETFを打って、金地金に切り換え、プレミアムのつくNY市場で転売したものと思われる。