ワールド・ゴールド・カウンシルの25年1-3月期の需給データが発表された。
今回は、金暴騰の裏で、実需動向が、どのように反応したか、について筆者は強い興味を持って数字を吟味した。

まず、今年1-3月、平均価格が2,859ドルという歴史的高値圏で、ETF需要が、前期18トンに比し、226トンに急増した。これが強い買い圧力となった。但し、ETFは、昨年から四半期ごとに、マイナス113トン、マイナス7トン、プラス94トン、プラス18トン、プラス226トンと振れが大きい。短期投資のツールとして使われているからだ。来期には、仮に価格が下落すると、激減する可能性もある。
同じ投資需要でも、地金と金貨は、前期326トンに比し325トンと高値圏でも底堅い。手数料が高いから、ETFと異なり、長期的に退蔵される。
次に、宝飾部門だが、宝飾消費が、前期547トンから、380トンに激減した。高値による買い控え傾向が顕著だ。
最後に、中央銀行だが、前期365トンに比し、243トンに減った。それでも、長期の買いとして評価されるべき。


以上、まとめると、金ETFと中央銀行が価格上昇の主因となったが、宝飾需要の減少傾向が、ジワリ需給要因として効いてくる可能性がある。
総じて、金需要は、歴史的高値圏でも、健闘したといえよう。