本日の金市場は、アジアとNYがオープン。欧州はクローズ。
今朝は、朝7時のシドニー時間から、待ってました!よーいドン!みたいに、金が大幅に買われた。まずGLOBEXという国際金売買プラットフォーム。そして、上海黄金交易所。最近、目立つアジア時間の「china buying」の典型例となっている。加えて、金ETFも中国で人気化している。WGCのデータによれば、中国での金ETFの販売量は、今年1-3月に、23.5トンを記録。更に、今月は既に11日間で29.1トンも買われた。

中国人の金買いといえば、現物の金宝飾品とか、その年の十二支の刻印の入った金地金などが主体であったが、特に若者層を中心に上海黄金交易所のT+D(毎日、決済を繰り越す中国流先物)や、金ETFが人気化しているのだ。アジア時間の国際金価格に与える影響も、従来のGLOBEXに加え、中国人の金投機買いが、即効性を持つ。中国では仮想通貨が全面禁止なので、類似する金が買われるという現象も起きている。

これを、警戒的な目で見ているのが中国人民銀行。人民元への信認が薄れ、金のほうが選好されるというのは、彼らにとって、決して好ましいとはいえない。とはいえ、仮想通貨は禁止できても、金は歴史的に金選好度の高い国柄ゆえ、さすがに禁止というわけにもゆかない。なにせ、中国人民銀行が、自ら、外貨準備として、金を買っているのだから笑。せいぜい、大手商業銀行に、金業務を派手にやるな、という事務通達を出す程度。
写真は、中国の大手商業銀行の金販売コーナーにあった中国黄金文化を説明するパネル。