「株価は政権の通信簿」と述べてきたトランプ大統領が、「米国の黄金期を目指す過程では、株価が下がることだってあるさ。経済が動揺することだってあるさ」などと、ボソリ語り、ウオール街の話題になっている。基本的に強気の論調は変わらないが、株価が、一時はトランプ期待で急上昇したものの、その後、ほぼ就任時の水準にまで下がってしまったのだから、渋々、譲歩した感じ。なんというか、いつもより、歯切れが悪い。

マーケットでは、米国不況モードが益々強まっている。最近、ウオール街でもっとも頻繁に聞かれる言葉は、growth scare。経済成長下落の恐怖というような意味である。金市場でも、直近の価格上昇の理由としてgrowth scareという言い回しが使われている。

先週金曜日発表の雇用統計は、新規雇用者数が、僅かながらも、事前予測に届かず。その程度のことでgrowth scareと語られた。

「タリフ=関税は、最も美しい言葉だ」などと自慢げに語ってきたが、経済の現実は厳しいよ、トランプさん。