金価格は調整色を深めている。

これまで下がっても、2,900ドル割れは買われていたが、昨晩は2,800ドル台でも、利益確定売りが出るようになった。
ロコロンドンで2,870ドル台。
NY金先物(4月もの)で2,880ドル台。

金価格上昇のモメンタムが鈍ってきた。2,800ドル台でも、歴史的高値圏だが、2,900ドルを見てしまうと、「下がった」という感じになる。引き続き「健全な調整局面」といえる。もし、2,900ドルを超えて、いきなり3,000ドルをつけるような展開になったとすれば、そのほうが、よほど怖い。山高ければ、谷深し、となるからだ。


トランプの対中10%追加関税という材料も、インフレ再燃で利下げどころか利上げにさえなりかねない、という見方と、米国内物価上昇でGDPの7割を占める個人消費が痛み、不況色が強まるという見方と、二つに分かれ、結論は出ない。トランプも、やってみなければ分からない。しかも、トランプ政権の経済官僚は、皆、忠誠心の高い連中ばかりで、「殿、ご乱心」とは絶対言えない。


かくして、金の買い材料と売り材料が併存しているわけで、それならば、いただけるものは、いただいておく、という投機筋の利益確定売りのモチベーションは上がることになる。
ちなみに米株式市場は不況を懸念。
10年債と3か月財務省証券の利回りが逆転する「逆イールド」が発生。本来の逆イールドは10年債と2年債のスプレッドの長短逆転現象を指すが、その予告編みたいに映るのでNY市場内で注目されている。逆イールドは不況の前兆とされるので不気味なのだ。
でも、不況に強い金が、下がった。投機的買いがETFも含め異常な規模に膨らんでいるからだ。まぁ、2,500ドルで買って、2,800ドルで売れるなら、不確定なトランプ相場では、御の字の売却益だよね。私だって、スイス銀行のディーラー時代なら、さっさと利食っただろうね(笑)

以上は、「虫の目」で見た、NY金市場の実態。
「魚の目」で見れば、米年金や長期運用のファンドは、じっくり金を持ち続ける姿勢を変えていない。