国際金価格は2,910ドル近傍で静かな調整局面。2,900ドル割り込めば、すかさず新規買いが入り、2,950ドルが視野に入ると、利益確定売りが出始める。まぁ、マーケットにとっては、現水準が、「居心地が良い」状況といえようか。


さて、今日は日本株の話。
今年は、頼みの外国人投資家に見離され、日本人投資家はNISAを通じて外国株投資信託を買い漁る。兜町の株式売買の7割近くは、依然、海外勢が占める、という構図は全く変わらず。しかも、その海外勢の多くが短期投機のヘッジファンドだ。業績の良い会社の株でも、海外勢が日経平均に売り攻勢をかけると、巻き込まれ、株価が上がらない。


更に、日本勢でも、個人投資家は、日経平均が上がると、バブル時代に買い塩漬けになっていた日本株を売る機会と見て、処分に走る。
国際的な日本株の評価も、昨年は、株主還元重視などの多角的構造改革が評価されたが、今年は、日本国の多数政党が乱立する政情が不安材料になっている。


筆者のところにも、今年は、海外から、日本株、円や日銀の動きに関する問い合わせが減った。
筆者の友人で日本株やドル円の専門家たちも、実態は暇そうだ。でも、立場上、忙しいふりをせねばならず、何かを語らねばならず、口を開けば「トランプ由来の不確実性」というような表現ばかり。はっきり「分かりません」と言えない立場ゆえ、「視界不良」というような曖昧な表現でごまかしている。それを聞かされる個人の側でも、匙を投げ、傍観姿勢が目立つ。


ひとつだけ確かなことは、世界でトランプの本音を読めるひとは誰もいない、ということ。なにせ、トランプ自身が、分かっていないのだから。
昨日も、友人の著名アナリストが、「豊島さんは独立系だから羨ましい。コメントなければ、ノーコメントと、はっきり言えるのだもの」とぼやいていたよ。