NY金の調整局面は、筆者が考えていたより、長引きそう。
具体的には、トランプ就任の25年1月頃まで。
昨日の日経商品面記事で、高値圏でも現物を買う人が増えていると報じられたが、NY市場でも、高値圏で買う(或いは買った)人たちが多い。
日本との違いは先物買いが多いこと。買って、1か月くらいで、売るような投機的買いが主体だ。この人たちが、高値掴みして、慌てて、見切り売りに走っている。この人たちの売買形態は、所詮、ゼロサム・ゲームで、単に金価格のボラティリティーを高めることになる。
長期的上昇トレンドには、関係ない部類の人たちだ。だから無視してよろしい。
それから金ETF残高も、しきりに記事で引用されるが、ここでも、実態は短期的売買に金ETFが使われている。それゆえ、短期的残高の変化を気にする必要はない。
重要なのは、年金・富裕層など、長期的な金保有手段として金ETFを選択している人たちだ。金ETFが本来、念頭に置いていた長期投資家たちだ。
この部分は目立たないが、確実に増えている。
筆者は、金ETF上場に直接関与したから、NYからの関連情報が色々入ってくるので、実態が把握できるのだ。
長い金上昇トレンドのなかで2か月くらい、一服期間があったほうが、筆者はホッとしている。
なお、現在の下げの背景は、米インフレがしつこく(特にサービス産業)、利下げペースが想定より緩やかで、その結果、ドル金利が4%半ばまで上昇して、ドルが買われ、ドルインデックスが107に接近していることにある。
昨日もパウエル講演があり、その事実が確認された。