前大統領は、転んでもタダでは起きない。
顔面に血が流れ、SPに抱きかかえられても、聴衆に向け手を上げて、顕在ぶりをアピールした。
背景には青空に星条旗がひるがえる。このAP写真は、結果的に見事な構図で、今後、歴史に残ると言われている。
これを千載一遇のチャンスと捉え、トランプは複数の米紙と単独インタビュー。
「分断された社会をまとめるのは、神から与えられた私の使命」と言ってのけた。


市場には、もはや「トランプ当確」の如きムードが漂う。
事件後、真っ先に反応したのが米債券市場。ドル長期金利が上昇した。
トランプの経済政策はインフレと財政不安を悪化させるとのシナリオだ。
前大統領在任中に実行したトランプ大型減税は、25年に失効する。
現行減税は法人税を35%から21%へ引き下げた。
新トランプ減税が、個人・法人向けに、更に大規模な減税になるは必至とされる。
CBO(米議会予算局)は、財政赤字が膨み、今後10年間で累積債務残高は20兆ドル超(GDP比116%)と試算している。
この歳入不足を補うのが、関税引き上げだ。
特に、中国製品に60%関税など、対中国強硬路線を打ち出す構えである。
この超積極財政は、インフレ再燃を招く。FRBは利下げどころか、利上げへのピボット(転換)を強いられよう。
但し、米国債格下げを誘発すると、これは、リーマンショック時と同様に、金には一転買い要因となる可能性を秘める。
なお、トランプ暗殺未遂により、議会選挙でも、共和党が上院・下院ともに制して、ネジレ議会が解消される可能性も重要だ。
トランプ財政の議会通過が容易になろう。


日本人として気になる円安については、「トランプ・インフレ」により、ドル高圧力がかかり、介入が益々難路となりそうだ。
介入を指揮する財務官には、予期せぬ成り行きで、頭が痛いことであろう。
円の今後は、トランプ次第。
ドル円相場は、これまで以上に変動が荒くなりそうだが、「円高」に振れても、150円から140円台まで持続的に円高が続くシナリオは極めて非現実的である。
トランプ氏は、自国通貨安による米国製品国際競争力強化を主張したが、今回の展開は「トランプ・ドル高・円安」を示唆している。
従って、トランプ再選ならば、NY金も国内金価格も、高値圏で、ボラティリティは激しいが、地政学的リスク悪化も不可避で、上昇圧力が優ることになろう。


さて、今日の写真は、厚真の農園からの差し入れ野菜の数々。

 

厚真の農園からの差し入れ野菜

サッポロ・サテライトオフィスに移り3週間。
夕日が落ちる方向も、小樽半島から、山側にジワリ移行している。

 

サッポロ・サテライトオフィスから見た夕日

なお、産経新聞朝刊2面に、筆者コメント記事が載り、反響が大きかった。
「モグラたたき」苦渋の為替介入 3兆円規模円買いドル売り 投機筋「まだまだもうける」 - 産経ニュース 


今朝も為替介入のテーマでテレ朝グッドモーニングに札幌からリモート出演した。