本欄では、一貫して2,300ドル台の値固め期と書いてきたが、どうやら、それを終えて、2,400ドル台を試し始めた。
直接的理由は、米利下げが年内2回程度は見込まれる、との観測。
あくまで観測に過ぎず、今後、利下げ無しに変わる可能性はある。
全ては今後の雇用統計やCPIなど重要経済指標次第。
加えて、先週金曜日に、中国政府が1兆人民元もの20年債と50年債を発行。不動産セクターと地方政府セクターの救済に乗り出した。
これで、国民の可処分所得が、いくらかでも増えれば、金も買われるであろう、との「憶測」。
しかし、中国経済は疲弊しきっており、構造改革が進行することも見込めず。
まぁ、NY先物投機家たちが、買いの理由に使っている感じ。
そして為替は相変わらず155円。円建て金価格は上がるばかり。
それでも、金の買いが多いのは、「沈みゆく円」からの脱出劇なのであろう。
2~3年前までは、FPたちが「外貨建ての投資商品は為替リスクがあるので、気を付けましょう」と言っていたが、この円安の1年で「円建てのほうがリスクがある」ことが露わになってきた。
私の友人が10年ほど前に、金キロバー100本買って、今や、高笑い。
スタートアップ企業で大儲けした分を金で保有していた。
なかなかに、商才も資産運用も、巧みな人物だ。
なお、銀とプラチナが中国経済好転見込みをテコに上がってきたが、NY先物業者が、買い推奨の理由に使っている感。
6月には暴落するのでは。
市場が小さいから、上がるのも速いが、下がるのも速い。