2,300ドル台の値固めも順調に進んで、2,360ドル台(NY金、中心限月6月もの)まで、上がってきた。
年内利下げの可能性が強まると、金は買われ、利下げ観測が遠のくと、金は売られる。


さて、中国の金の爆買いが話題になっているが、中国人の金買いには、二つのパターンがある。
まず、文化的金選好度が高いことによる、人民の金地金、金製品(現物)買い。
これは、四半期ごとの需給統計で明らかになることで、日々の金価格変動に即影響を与える話ではない。


次に、最近目立つ、中国人の投機的金売買。
舞台は上海黄金交易所。
設立当初、筆者がアドバイザリーとして、招聘されたところだ。
ここは金現物の受け渡しと同時に、金の短期売買の場でもある。
この投機的金売買が最近目立つようになった。
アジア時間帯に国際金価格に影響を与えるまでになっている。
結局、不動産バブルはじけ、仮想通貨禁止され、株は冴えない、ということで、消去法で金が投機筋に狙われているのだ。
中国版ヘッジファンドが暗躍している。
この人たちと、名刺交換すると、名刺の裏に、誇らしげに「リーマンショック予測的中」など、怪しい「実績」が並ぶ。
こういう人たちの金売買が膨らみ、国際金価格に影響を与えるまでになったわけだが、所詮、ゼロサムゲーム。
筆者は無視している。
中国の本当の爆買いは、庶民の現物金購入(歴史的高値圏でも減らない)と中国人民銀行の公的金購入だ。
くれぐれも、派手な投機的売買には、惑わされないように。
中国の金爆買いといっても、話半分くらいに聞いておくほうが良かろう。


なお、中国の大手商業銀行の売れ筋をみると、個数では、銀のメダルが多い。
しかし、金額ベースでは圧倒的に金。
銀は「貧者の金」とはよく言ったものだ。
プラチナは売れない。
銀色なら安いシルバーで十分というのが中国人の一般的感覚である。