FOMCはやはり「利下げを慎重で急がず」とのFRBの姿勢が確認された。
利下げ観測は後退した。
それでも、金は2,300ドル台の調整局面を粛々とこなしている。
但し、円相場は久々に円高に振れた。といっても155円台だけどね。
介入が実施された模様。
やはり、今は、為替要因のほうが影響が大きい。
以下は、FOMCで円反発についての所感である。
題して、「パウエル氏発言、日銀も円安も無視、円は反発」
注目のFOMC後のパウエル議長記者会見が米国東部時間午後3時半に始まり、午後4時を過ぎたとき、円高が加速した。
その時、会見場では、米経済媒体バロンズ誌の記者が「ここ3~4年、米国、欧州、日本の先進国中銀が発する情報によれば、概ね同じ軌道を辿り、コロナで緩和、インフレで引き締め、24年には正常化に動き、様々な対応を見せているが、ここにリスクは無いのか」と質問していた。
もっぱらパウエル発言の円安への影響が気になる日本市場の立場では、聞き捨てならず、思わず筆者も身を乗り出した。
パウエル議長は、こう答えた。
「その事は承知している。それぞれの国が、国内事情に即して、インフレと経済成長を考慮しつつ利下げを検討中だ。その点、米国の経済は労働市場も堅固で、贅沢にも、忍耐強く、慎重に動く余裕がある。その結果、彼らに先んじて利下げに動くかもしれない。既に市場は、それを織り込みつつある。更に、新興国は、20~30年前に経済混乱を経験したが、今や金融政策のフレームワークも信用性も改善され、乗り切りつつある。」
どうやら、パウエル氏は、壇上で様々な質問を浴びせられ、日銀が、利上げしつつ、異次元緩和は維持する独自の道を歩み、そのリスクとしての円安が急進行して介入態勢に入っていることまで考える余裕がなかったと、筆者は善意に解釈した。
更に、「それぞれの国が国内事情に即して」と述べたので、深読みすれば、介入に理解を示したと、これも「善意の解釈」ができる。
とはいえ、もし、筆者が会場にいたら、即、挙手して「待たれよ。我が国の中央銀行は、つい最近、植田総裁の発言が円安加速を誘発して、本日の貴方の発言次第では、円相場が更に激動する可能性があるのですよ。」と主張したであろう。
昨晩はおそらく徹夜臨戦日本であった介入当局が、そこまで把握していたか否かも知りたいところだ。