金価格は膠着状態ゆえ、今日は日本株爆上げについて日経電子版コラムに書いたことを採録する。
ちなみに、この原稿は、電子版マーケットコラムでアクセス数が一位になった(写真参照)。
これを書いた朝には、日経平均37,000円であったが、その後、6時間で38,000円に爆上げした。
12日のNY株式市場では、今回の米国株急騰がAI、半導体銘柄に特に集中していることから、1990年代のドットコム・バブルとの比較が熱く議論されていた。
代表的事例としてエヌビディア株の異常な値上がりが、バブルを想起させるとの見方に対して、それでも90年代の異常な割高感に比べれば、未だ「バブル感」とは程遠いと、強気派は説く。
徐々に広範囲のセクターに買いが拡大しているとの指摘も根強かった。
株価上昇のモメンタム感は、日本株にも「伝染」している。
年初に日本株を買った外国人投資家の間では、早くも利益確定売りの動きも見られるが、出遅れ組の新規買いも顕著だ。
37,000円前後から買いを入れるということは、40,000円程度をターゲットに設定しているわけだ。
円相場が150円に接近していることも、日本株買いの抵抗感を薄めている。
更に、米国株の急騰スピードに体験しているので、日本人投資家が感じる上値抵抗感とは異次元の相場観で動いていることが、彼らとの会話から感じられる。
23年10~12月GDPが3.3%を記録したことが、米国経済に対する自信感を市場内に醸成しているのだ。
それにしても、24年2月の段階で、37,000円突破は全くの想定外だ。
高値リスクも無視できない。
特に中国経済が不動産バブル破綻によるデフレ傾向を強め、当局のなりふり構わぬ株価買い支え策や監督当局トップ解任劇が、投資家の不安感を強めている。
投資マネーが中国離れで日本にシフトする現象が指摘されてきたが、今後、中国経済の危機感が更に鮮明になると、日中株価共倒れリスクさえ無視できない。
トランプ大統領候補の対中強硬発言が市場の不安感を刺激する可能性もある。
それゆえ、37,000円を超えた水準から新規参入する海外勢は、基本的に短期性のマネーとなろう。
中長期性のマネーは3月頃まで、日本株の展開を注視して、「しかるべきとき」に日本株買いの狼煙をあげるシナリオが考えられる。
総じて、ウォール街での会話の隅々に「ジャパン」の名前が出る。
極めて珍しい現象だ。
日銀副総裁発言の如き突発的要因が生じれば、いつでも動けるように臨戦態勢を敷いているといえよう。