日々の値動きは意味がないので更新が空いているが、中期的な状況をまとめておきたい。
基本的には、中東など地政学的リスクと、長期保有の世界の中央銀行が年間金生産量の1/3近くを買い占める状況が2,000ドルという歴史的高値圏を支えている。
その上で、米国金融政策の引き締めから緩和という、歴史的転換が、日々の国際金価格のボラティリティを激しくしている。
すなわち、経済指標やFRB高官発言で、年内の利下げが前半か後半にずれこむか、更に、利下げ回数が3回から7回の間で、どのあたりに落ち着くか。
この部分は、日々変わる。
今日現在では、利下げ早期開始論が後退しているが、今週1月30、31日に開催されるFOMCに市場は手掛かりを求めている。
金に直接影響を与える変数は、ドル相場とドル金利である。
更に、ワイルドカードだが、トランプ再登場がほぼ必至。「もしトラ」が「ほぼトラ」になったので、2024年は米政治リスクへのヘッジとして金が買われよう。
地政学的リスクと中央銀行爆買いのうえに、米金融政策を巡る思惑と「ほぼトラ」リスクが乗っかっているイメージだ。
価格レンジは、引き続き1,950~2,150ドルがコアレンジ。
トランプ氏次第で、瞬間タッチ2,300ドルもあり得る。
円建て金価格は、円相場が140円台という円安水準にとどまるので、上げ圧力は変わらない。
読者諸兄においては、日々の乱高下に一喜一憂することなく、この金相場の基本的構図を頭の中に叩き込んでおいてほしい。