12日に発表された米生産者物価指数PPTは、前月比0.1%「低下」。事前予測は0.1%「増加」。要は、生産者物価は上がらず、下がったわけで、これは利下げ早期観測を後押しする材料となった。
更に、紅海でイラン系フーシによる船舶襲撃に対抗して、米英が、フーシ基地を空爆。更に、イランはホルムズ海峡でタンカーを拿捕。ホルムズ海峡は、世界原油輸送の動脈であり、日本への中東産原油は全てここを通る。日本への原油供給が最悪、ストップしかねない海域だ。今回の出来事は一過性だが、要経過観察だ。
この二つの材料で金は急騰したわけだ。
2050ドルを超えると、いよいよ2000ドル台の値固めも本格的になる。金価格の歴史で、2000ドルという最高値圏が当たり前になることは、画期的なこと。筆者は、2000ドル台値固めが簡単とは思わないし、紆余曲折はまだまだあると思うが、ジリジリ底値を切り上げる展開になってきた。
長く金を見つめてきた者として隔世の感がある。筆者が金市場と関与するようになった1970年代後半は200ドルが当たり前で、その当時は、1980年に875ドルまでオイルショックで上がったことは話題であった。
200ドルが2000ドル。
感慨深い。