国際金価格は続伸。利上げ終了。
利下げ視野の可能性が強まり、ドル金利低下もドル安も同時進行している。
金価格が上げやすい市場環境といえよう。。
但し、ひとつ、注意事項がある。
NEMEX金先物取引所で最も取引が多い中心限月が、これまで12月ものであったが、これが2月ものに「交代」する時期と重なった。
具体的には、NYMEX,12月限は2,048ドルだが、2月限は2,068ドルとなっている。
外電報道でも、NY金は、2,068ドルとされる。いきなり、20ドルも限月交代で上がってしまったわけだ。2,068ドルとなると、史上最高値2,089ドルに一気に接近する。
対して、本欄では、一貫して、現物のスポット価格を使っている。
おなじみのKITCOグラフでは、緑線が2,040ドル台で推移している。
なお、日経はNY金で表示しているので、このままゆくと、一足早く、史上最高値と書くかもしれない。
それから、ドル安で国際金価格が上昇ということ。
ドル高でも上がったではないか、との疑問が生じる。
結論からいうと、金はドルの代替通貨といわれるように、ドルの価値が下がれば、金価格は上昇する。
ドル高でも金が上がったのは、長期的にドルに対する不信感(国際基軸通貨としてのドルへの信認低下)が高まっているからだ。
中央銀行が外貨準備でドルを減らし、金を買ったことが象徴的だ。
この不信感は、日々、外為市場で当日ドル高になろうと、ドル安になろうと、変わらない。
なお、ドル金利安・ドル安で、円は高くなった。
それでも、昨日は円建て金価格が史上最高値を更新した。
円高といっても147円だからね。数年前に147円なんていったら「超円安」と言われたものだ。
今年は米利下げとともに、日米金利差が縮小して、円高に動くとの見解が増えてきた。
しかし、FRBは、まだ2%のターゲットからは遠く、インフレはしつこく、場合によっては、追加利上げも辞さずの構えだ。
市場の利下げ期待感と、FRBの、そう簡単には政策金利を下げられないよ、という立場のギャップがこれから、どう推移するのか、注視したい。
日銀は大して動けないので、結局は、FRB次第ということになる。
このあたりの議論は、今月号の日経マネーの金別冊で、尾河眞樹さんと対談したので、参考にしてほしい。
かなり中身の濃い内容になっている。(亀池との金3人衆の鼎談より、面白いかも(笑))もドル安も同時進行している。
金価格が上げやすい市場環境といえよう。
今後、FRBが重視するPCEインフレ率とか雇用統計とかCPIとか、重要指標が目白押しだ。日々の価格変動性(ボラティリティ)は激しくなりそうだ。