昨日の国際金価格は、上昇一服。利益確定売りと新規買いが交錯する状況。
まず、「NY為替市場では長期金利1%超え柔軟に」の日経電子版報道が、NY市場の現地時間昼前に伝わった。
ドル円相場は、瞬間的に149.76前後から149円05前後まで急落。
その後、更に148.80前後までジリジリさげたが、結局、149円台を回復した。
「再修正」といっても、小幅にならざるを得ず、影響は限定的との解釈である。
NY市場が、日銀政策修正に関して、最も注目することは、日本国内の金利水準が上昇することによる日本機関投資家の米国債レパトリだ。
日本の米国債保有額は1兆1,162億ドル(2023年8月)で、二位の中国8,054億ドルを大きく上回る。
米10年債利回りが5%に達した局面でも、日本勢の売りが材料視され、米国債券投機家の10年債売却の動きに拍車をかけた。
次に、NY市場引けにかけ、米財務省が10~12月期の資金調達額が7,760億ドルになるとの試算を発表した。
事前予測を下回るもの、2023年度の財政赤字が約1.7兆ドルに達する事態への懸念が金市場で改めて高まった。
更に、11月1日には、その入札規模、時期、期間の詳細が発表される。
同日開催のFOMCが、今回は、ほぼ無風が予測されるのに比し、財政問題のほうが、市場の材料としても鮮度も注目度も高い。
そもそもの今回のインフレの火付け役の一つがコロナ対策の巨額財政支出であった。
この財政要因は、パウエルFRB議長の管轄外であるが、結果としてのインフレに関しては責を負わねばならぬ。
パウエル氏にしてみれば、貧乏くじであるが、市場は、FOMCの制御が効かないインフレ要因としてリスク視をせざるを得ない。
FOMC当日に、FOMC管轄外のインフレ要因が注目される展開となってきた。