1,900ドル台の攻防を続けていた国際金価格だが、27日には、
アジア時間朝から、ずっと下げ続け、NY時間には1,870ドル台まで下がった。
何と言っても、要因は、本欄で繰り返し述べた、9月FOMCでの、パウエルFRBの、政策金利は「高く、長く」のメッセージだ。
インフレ率は、段階的に下がってきたが、まだ、FRBの視点から見れば、不十分。年内追加利上げ(11月)も排除せず、さらに、来年の利下げも4回から2回に回数が減らされた。
市場もそれを受け入れざるを得ず、10年米国債利回りは4.59%、2年債は5.12%を超えた。
今の時期に、こんな高金利になるとは、NY市場関係者も、全く想定しなかった。
株式市場を支配していた楽観論(経済軟着陸説)は脆くも崩れた。
金市場にもっても、ありがたくない話である。
ここまでは、26日までの話。
そして、27日には、NY時間で、耐久財受注が前月比0.9%増と、大幅な伸びを示した。FRBの利上げの効果がまだ出ていない、あるいは不十分、との解釈が出た。
さらに、原油価格が続騰。
FRBはインフレ率のコアを重視するが、国民の立場では、家計を直撃するので、無視できない。
これも、市場にとって、この時期に原油急騰か、とのサプライズ感をもたらした。
やはり、FRB議長も、原油急騰を受け止め、追加利上げを急ぐとの解釈が出始めた。
それでは、今後はどうなる。
結論から言うと、利上げの副作用である不況、並びに、銀行不安は、金利が「長く、高く」なれば、必ず出てくる。
ここが、一番大事なところで、金の下げも限定的と見る所以だ。
原油急騰にしても、ガソリン値上げが家計を直撃すれば、ほかの消費を削り、消費性向は下がる。
GDPの7割は個人消費であり、景気後退感が顕著になろう。
さらに、政府機関閉鎖も、ますます現実的になり、ムーディーズが、米国債を格下げの前段階(credit watch)にした。
もし、ムーディーズが、格下げに踏み切れば、S&P、フィッチと大手格付け機関が、全て米国債をトリプルAから、格下げすることになる。これだけでも、金が1,900以上に戻る力がある強い材料だ。
当面は弱含みとしても、中期的には、1,900ドル以上に戻す。
来年のことまで言うには早いかもしれないが、来年は1,900ドルがレンジの下限値となろう。
来年の高値は、まだ、ちょっと、待って(笑)
さて、今日の写真は、紅玉を使ったアップルパイ。
自家製。
紅玉は、傷みやすいので、あまり出回らない。
あるときには、買って、アップルパイにして、楽しむ!