9月19,20日に開催されている9月FOMCの直前に、原油価格が急騰した。市場は、利上げ議論への影響を注視する。
しかし、FRBはあくまで、原油や食料品など変動の激しい項目を除くコア・インフレ指数を重視するスタンスだ。投機的売買で値動きが荒い原油価格は「ノイズ=雑音」と切り捨てる。
しかし、国民は原油高が家計を直撃するので無視できない。減速過程にあるとされるインフレの再燃を憂慮する。値上げラッシュで、米GDPの約7割を占める個人消費も萎える。それゆえ、市場内でも、コア・インフレ率だけ見ていればよいのか、との議論も根強い。
金価格には上昇要因となる事なので、金市場も注目している。
本日20日のNY時間に行われるFRB議長記者会見でも、原油急騰に関する質問が飛ぶのは間違いなかろう。パウエル議長は、従来どおり、原油価格も含め、長期的トレンドが重要であることを繰り返すであろう。
但し、次回11月のFOMCまで原油高止まり或いは更なる急騰が続くようであれば、11月「ダメ押し追加利上げ」を巡る議論を左右する可能性がある。もしそうなると、金には下げ要因となる。


さて、今晩9時からテレビ東京系でOAされる「60秒で学べるニュース」で、「金1グラム1万円で買っているのは誰だ?」というテーマがあり、筆者もビデオ出演となる。60秒で今回の金急騰劇を語るなど不可能だが、色々カメラの前で喋ったことが、どのよう編集されているかな。ゴルフ焼けで真っ黒な肌に、メイクさんが、かなり厚めのメークして、志村けんの「バカ殿」みたいになって登場。かなり笑える。


それから中国の不動産危機について筆者発言↓

中国の不動産危機はドル不足の表れ? 「リーマン・ショック級」を心配する専門家も(AERA dot.) - Yahoo!ニュース

 

それでは、今夜はFOMC声明文発表、FRB経済見通し発表。パウエル議長記者会見と続き徹夜になるので、これから仮眠zzzz

 

なお、夕方になり、為替市場に異変が生じたので、以下に追記しておく。
タイトルは、円安、148円台乗せ, 植田新聞発言が裏目に。
20日日本時間午後4時過ぎに円相場が148円台を一時的に突破した。
12時間後には、9月FOMC声明文発表とパウエルFRB議長記者会見を控えるタイミングだ。
19日の米国市場では、10年債の利回りが4.37%まで上昇して、2007年以来15年ぶりの水準となった時点で、ドル高・円安のモメンタムが強まり、148円突破は時間の問題と見られていた。
日本時間午後4時は、為替市場が、アジア時間帯から欧州時間帯に移行するときなので、取引が薄くなり、投機筋には狙われやすい。9月FOMCでは利上げ見送りがほぼ確定しているが、11月FOMCでの追加利上げはデータ次第という状況で、ドル金利の更なる上昇を先取りする動きともいえる。原油急騰が同時進行して、インフレ懸念を煽っている。
市場の注目は、150円接近で、大規模為替介入があるか。
世界的なドル高の潮流に、日本金融当局だけが、逆らうことが出来るか。結果的に、モグラ叩きになりかねない地合いだ。
仮に介入で140円程度まで円高ドル安に振れても、日米金利差拡大傾向は変わらず、円売りの波が再発しそうだ。
まだNY市場の視点では時間外だが、既にNY勢は臨戦態勢である。
日銀金融政策決定会合も控えるタイミングだが、日銀の金融政策選択肢は極めて限定的であると読み切っている。植田総裁の新聞インタビューでの「マイナス金利撤廃言及」も、牽制発言のはずが、「追加利上げも視野のFRBと、来年にやっとマイナス金利解除の段階にある日銀」の立ち位置の差を市場に印象づける結果になってしまった。
国際通貨投機筋も、植田発言で、円売り攻勢に自信を深め、為替介入も乗り切る目論見が透ける。
円売りの波には昨年より長期化の兆しが見える。