日本の連休中、国際金価格(スポット)は、1,915ドルから1,933ドルまで急反発した。以下のKITCOグラフを見ながら、時系列で説明しておく。
まず、日本の連休前の先週金曜日(青線)に金価格が最大15ドル急騰したのは、ミシガン大学消費者信頼感指数が、前月の69.5から67.7へ低下したこと。米GDPの7割を占める個人消費が弱いことには、米FRBも追加利上げはしにくい。金利を生まない金には追い風となる。
次に、KITCOグラフ赤線。週末に気配値ベースだが、5ドルほど上昇した。これは、週末のFT紙が、中国当局は中国大手銀行の金輸入に一時的規制をかけてきたが、それを緩和するという観測記事を流した。上海金価格は、最近、世界標準価格に比し割高であったが、その割高分が、かなり解消された。背景には、人民元防衛がある。中国人がドル建て金を買うことは、ドルで支払うために、人民元を売ることになる。そこで、中国人の金購入を抑制する措置をとった。このような「窓口規制」は中国では日常茶飯事だ。コロコロ変わる。なお、中国国内での金需要が急増しているという見解に関しては、FTは懐疑的に書いている。中国経済不振のさなかに金購買力も落ちるからだ。いずれにせよ、この記事で、5ドルほどは気配値が週末に上がっていたということだ。
そして、昨日には(緑線)、NY時間午後の引けにかけて、10ドル超、上げた。これは、米10債利回りが、引けにかけ、3.34%から3.30%にまで急反落したことによる。特に影響を与えたイベントはない。いよいよFOMC開幕ということで、米債券市場で身辺整理的な米国債売買が出て、金価格が、金利変動に反応したわけだ。
結局、NY金は、ドル金利に左右される度合いが強い。筆者が彼らと話していても金利の話しかしない。いっぽう、ロンドン金市場の連中と雑談していると、中国インドの金実需の話も出る。しかし、国際金価格に与える影響は、今回の事例でも5ドル程度に過ぎない。
但し、中長期的な金価格動向には、中国金購入(民間と人民銀行)はジワリ、ボディーブローのように効くので、重要であることは、言うまでもない。筆者も中長期的見通しを書くときはドル金利に加えて中国についても詳説している。
さて、今週の9月FOMCが、今月のメイン・イベント(FOMC)だが、利上げ見送り確率は99%に達した。もはやサプライズはない。注目は、5%を超える米政策金利が「いつまで続くのか」「いつ利上げから利下げに転じるのか」。
ヒントはFOMC終了直後に発表されるドット・チャート(FOMC参加者の金利予測の分布)にあるので、ここが、今週の肝だ。
結論からいえば、利上げ停止宣言してから、インフレがぶり返すことが、FRBの悪夢でトラウマなので、来年前半まで、現行の5.25-5.50%はホールド(維持)するだろう。その間、金の上昇余地は限定的だ。しかし、来年中には必ず利上げから利下げに米金融政策は転換するので、それを先取りして、国際金価格も上がるであろう。早ければ、年内にも、先取りの上げは始まるかもしれない。ここは、今後の雇用統計とかCPIなど重要経済指標次第だ。この時期を当てられたら大儲けできるが、ひとつ確かなことは、世界中、誰にも分からない。実は、パウエルFRB議長も読み切れていない。これが、生きた相場の実態だよ。
さて、今日の写真。
我が家の庭に、秋到来を示すはずの彼岸花が急にみられるようになった。しかし、気温は真夏並み。ゴルフ場では、セミとトンボの競演も見られる。トンボも彼岸花もビックリしただろうね。あれ、フライングしたかと(笑)それにしても、この高温特に高湿はこたえるね~