14日のNY金市場では、一時、スポットが1,900.30ドルまで下落する局面があった。(KITCOグラフ、緑線)。
重要度は最高級の米国小売り売上高が発表された直後のことだ。
結果が、事前予測を大きく上回り、強力な利上げにもかかわらず、米国消費者はめげず消費を続けていることが連想された。やはり、インフレの根を断つには、追加利上げが必要か、との議論になる。
しかし、その後、原油価格(WTI)が90ドルを突破したところで、庶民生活に密着した原油価格が上昇すれば、インフレ期待感が高まり、インフレ・ヘッジとしての金が買われると市場は解釈した。
インフレで金が買われる面もあれば、インフレ抑制のための利上げで金が売られる面もある。市場が、こちらの解釈をとるか。トレーダーは結局、自分のポジションに都合の良い見解に傾きがちだ。
いずれにせよ、1,900ドルの下支えは堅く、一時的に1,850ドル程度まで売り込まれても、上昇相場が崩れることはない。
なお、ドル円は147円台を維持している。
結局、日銀はインフレ抑制のために、金利を上げることが出来ない。せいぜい、マイナス金利解除、そしてイールド・カーブ・コントロール撤廃程度。FRBは0.75%刻みで連続利上げを実行したが、日銀の利上げは、全部でせいぜい1%が限界。0.1%金利を上げただけで、国債発行による資金調達コストも上がり、財政不安が高まる。日銀や地銀が巨額保有している国債の価値も目減りする。これって、米国地銀破綻と同じ市場環境だ。日経平均も暴落必至となる。だから、総裁が変わっても、日銀は動けないのだ。強力利上げを敢行しているFRBとECB(欧州中央銀行)に対して、インフレ放置のリスクをかかえる日本のほうが、実態はヤバい。まぁ、そこまで読んで金を買っている日本人は少ないが、そこまで考えると、歴史的高値圏の金ETFも、コツコツ買い増す経済的合理性があるということだ。
ドル円相場も24年に米国利下げに転じるとき、120円台の円高になるが、その後、長期的には150円に戻ってゆくであろう。そのときこそ、金1万円時代の本格到来ということになる。
さてさて、私は東京人だが、大阪朝日放送の「正義のミカタ」に7年ほど頻繁に出演したときに、大阪人脈が出来たので、阪神タイガース優勝おめでとうございます☺18年ぶりとか。甲子園の満場興奮感がテレビ画面でも伝わってきたよ。