8月CPIは、年率3.7%、コアで4.3%。
いずれも、ほぼ想定内。前月比で見ると、増加しているので、金国際価格はやや下げて1,906ドル程度。
ドル円は147円台。


本日は、生産者物価指数(PPI)と米小売り売上高の発表を控え、来週には9月FOMCとなる。
今回は利上げは見送られ、様子見となり、11月FOMCで追加利上げあるか否かで、意見は真っ二つに割れている。
もし、追加利上げあれば、米国政策金利は5.5~5.75%の高水準になる。
対して、日銀は「マイナス金利」撤廃が早くて来年早々、その次に、利上げが0.1%あるかどうかの段階。
日米金利水準は余りにもかけ離れている。
ここで、日銀が大規模為替介入して、140円程度まで戻しても、年内、再び、145円突破となろう。
世界のドル高トレンドに、日銀が独り逆らっても限界がある。
但し、来年になれば、利上げの副作用としてのリセッション(不況)の可能性、そして、利上げから利下げへの転換も視野に入るので一気にドル高からドル安トレンドに突入しよう。
株式市場では、ほどほどのインフレ抑制と、ほどほどの景気後退で事態は収拾するとの「軟着陸説」が強いが、金市場の視点では、それは楽観論ということになる。
と、まぁ、これまで書いてきたことの繰り返しになる。


さて、今、話題沸騰のジャニーズ性加害問題。
筆者が驚いたのは、ファンクラブ数が延べで1,100万人。
興行規模トップ10に6グループ。
TV出演番組6,240番組。
そして、これが凄い数字なのだが、ファン一人当たりの年間消費が55万円。
公演チケット代、グッズ代、交通費や宿泊費などなど。単純計算で6兆円を超える。


思い出すのは、週末札幌出張のとき、うっかり航空券手配を忘れ、金曜日に慌てて予約に走ったら、なんとなんと週末、ANAもJALも全便満席。
かろうじてキャンセルで席を確保した。
その理由が分かったのが、札幌駅到着後。
地下鉄に母娘と思われる女性たちが、長蛇の列。
なんと、札幌ドームでの嵐の公演があったのだ。
お母さんも大ファンだから、家計消費額も倍になるよね。お父さんは留守番か。
マーケティング目線では、母娘消費の凄さを実感した次第。
1足す1が2以上になる。母と娘が刺激しあって消費に動く現象。


なお、心配なのは、ジャニーズ問題の海外報道が更に広がること。
今の世界の潮流で、最も問題視される話題ゆえ、日本は、相変わらず、そんなことが、まかり通るのか、と思われること。
もう起きてしまったことゆえ、覆水盆に返らずだが、総合的ダメージは6兆円などに留まらない。
但し、ファン層のジャニーズ支持も変わらないだろう。
ジャニーズという名前にもこだわらない、というか、愛着が強いであろう。
いっぽうで、ジャニーズ「経済圏」が大幅に縮小する。
企業もスポンサー撤退が相次ぐ。
筆者も「文化人」枠でのメディア出演が多いので、「芸能人」枠の「業界の常識」を見てきたが、これまでの体質も容易に変わらないであろう。
なんとも後味の悪い出来事だ。