米国債格下げで、金国際価格は、短期的に下落した。(KITCOグラフ、緑線)。
米10年債の利回りが「4%の壁」を超えて上昇したことで、ドル高にも振れ、当面の金価格には逆風となった。
但し、中期的には米国債格下げは金の上げ材料となることは間違いない。
8月は夏季休暇相場で市場参加者も少なく、短期的には値動きもばらつくのだ。
なお、注目すべきは、フィッチの格付け部門ディレクターが、ブルームバーグ通信とのインタビューで、YCCに伴う日銀の大規模な国債買い入れは、日本国債の格付けを下支えする「重要な役割を果たしている」と語っていたことだ。
これは2022年11月28日付の報道で、日銀の次期総裁は「債務の持続可能性における金融政策の重要性を十分承知しているだろう」として、政府が任命することからも「次期総裁が考えを急に変えることがあればかなり驚きだ」とも述べている。この記事の見出しは「日銀の国債買い入れは格付けの支え、次期総裁も承知のはず」となっている。
そもそも黒田日銀の、長期国債大量購入なかりせば、長期金利上昇による利払い負担の増大が、日本国債格下げを誘発していた可能性がある。
そして今、植田日銀がYCC国債購入を減らせば、フィッチが日本国債格下げに動く可能性を上記発言は示唆しているのだ。
日銀も、政策修正の真っただ中で、まさか米国債格下げが勃発するとは、想定していなかったであろう。
対して、国際通貨投機筋は、日銀の足元を見て、円売りの仕掛けを一段と強める可能性がある。
今日の写真は、イタリア産グラナバターノの巨大ホールチーズで仕上げ、濃厚チーズが香るスパゲティ。
米国債格下げに終日振り回され、頭の中がウニ状態(笑)のときには、格好の濃い味メニューであった。