中央銀行の金買いが、いまや、重要な金価格上昇要因になっていることは本欄読者ならご存じの通り。
但し、今年はトルコの金大量売却などで、昨年を下回りそう、とも書いた。
もう一つの視点についても、書いておきたい。
それは、外貨準備としての金公的保有量を国別にみると、米国がダントツの8,000トン台。
次いで、ドイツ、フランス、イタリアが2,000~3,000トン台で続く。
そのあとに、中国、ロシアが2,000トン台。
それゆえ、中ロが反米・反ドルで金を買えば買うほど、金価格が上がり、それで最も儲かるのは欧米の西側諸国なのだ。
筆者は、中国の金公的保有量が、いずれ5,000トンに達すると見ていることも書いてきた。
それでも、8,000トンの米国には及ばない。


そもそも、米国もずるいと思う。
ブレトンウッズ体制が崩壊したのち、金「廃貨」説を最も強く唱えたのは米国であった。
金はもはやマネーではない。
これからは、米ドルの時代だと説いた。
たしかに、世界の決済システムは、いまや、米ドルなしでは機能しない。
それでも米国は、がっちり、一国として世界最大量の金を保有している。
自国通貨の信認が揺らいでも、ラストリゾートとしての金がNY連銀やフォートノックスの地下金庫にある。


対照的なのが、我が日本。
公的金保有は1,000トンにも及ばない。
外貨準備保有量は中国に次ぎ世界第二位だが、その殆どは、米国の借金証文である米国債だ。
安全保障の代償として、米国への配慮、という話を財務省幹部から聞いたことがある。
債務上限問題のとき、米国債が本当に債務不履行になっていたら、もっとも損する国は、日本。
米国債国別保有量(米国除く)では、日本がトップ。
二位が中国なのだ。
考えさせられる問題である。


筆者の記憶に残るのは、1997年6月23日、当時の橋本首相が米コロンビア大学での講演のあとの質疑応答で「米国債を売りたい衝動に駆られることがある」とジョークのつもりで語ったエピソードである。
真に受けたNY市場では、ダウ192ドル急落(当時としては大幅な下落)。
1985年のプラザ合意以降の急激な円高ドル安(260円から85円!)が進むなかでの発言であったが「もし売るようなことがあれば、米国への宣戦布告とみなす」と言われたものだ。
米国は日本の対米貿易黒字にいら立ち、円高誘導カードをちらつかせていた。
結局、日本は米国債保有を増やし続け、ついに世界最大の米国債保有国(米国除く)という、ありがたくないトップの座に君臨する羽目になったわけだ。


さて、札幌サテライト・オフィスの状況報告。
といっても、例によって、旨いものの話だけどね(笑)
札幌駅北口近くのルンゴカーニバル。
英語名だけど、羊蹄山の麓、真狩村の金丸農園でのびのび育った野菜などが供される。
看板に偽りなし。

 

ルンゴカーニバルの看板

とにかく蒸した野菜の数々が、野菜本来の甘さで旨い!

 

蒸した野菜の数々

ポテトフライも3種類のジャガイモの味が、それぞれ異なり、これが本当のジャガイモかと感じ入る。
東京のレストランで供されるポテトフライとは別物だよ。
熱の通し方も良い。そしてホエイ豚。
チーズ工房でナチュラルチーズを製造する過程で毎日出るホエイ(乳清)をたっぷり飲ませて育てた豚。
だから、これがポーク?と誰でも思う美味しさだよ。
これで1,300円だったかな。

 

ホエイ豚

安さといえば、有名な厚岸産のカキが一個100円だよ。
さすがに、今年は、例えば10個1,000円頼むと5個は三陸産になった。
この三陸産も厚岸産と比べて食すると、それはかなわないけど、東京なら一級品。
比べると味の違いが分かるのも興味深い。

 

厚岸産のカキ

締めは、私だけ、誘惑に耐え切れず、ライチのシャーベット。

 

ライチのシャーベットと豊島氏

天井が高くて、大きな店だけど、土日ともなれば、完全満席。
ただ、これは札幌の店にありがちなのだけど、喫煙可なのだよね。
だから、いつでも出口近くに陣取り、長居は避ける。
地方に出るたびにいつも思うことだが、喫煙に関する感覚が、原則禁煙の東京と違うね。
喫煙可の店には絶対入らない私だが、この店だけは例外だよ。
札幌サテライトオフィスで書くと、本文より、食い物編のほうが長くなりがち(笑)
まだまだ続くよ。札幌の旨いもの特集は。