議員たちが入れ替わり立ち替わり、持ち時間5分で、FRB議長と質疑応答するのが恒例のパウエル氏議会証言。
FRB議長が被告席の如き場所に座らされ、3時間近くの長丁場となる。
議員たちは選挙区を意識した演説に終始しがちなので、まともな質疑応答にはなりにくい。
今回も、結局、見出しを取ったのはpretty good guess(かなり良い考え)の一言であった。
6月FOMC参加者の多くが追加利上げ2回説を唱えたことの評価を上記の表現で語った。
敢えて予測(forecast)という単語を使わず、「当て推量」というニュアンスのguessという軽い表現を使って、言い抜けたところがパウエル流市場との対話といえようか。
しかし、市場は依然、追加利上げ2回説を信じていない。
引き締め過ぎでリセッションのリスク、更に銀行不安悪化リスクを考慮すれば、追加利上げ2回など出来るはずもない、と決め込んでいる。
筆者が注目したのは、不況の前兆とされる逆イールド幅が0.96%と1%の大台まで接近したことだ。
5月FOMCでは、利上げ打ち止め説が示唆され、逆イールドも0.38%まで縮小していたので、僅か1か月で劇的な変化といえる。
そもそも、過去の逆イールドといえば、逆イールド圏と順イールド圏を数か月間行ったり来たりとか、せいぜい逆イールド幅が0.1%を超える程度の事例が多かった。
それゆえ1%近くとは、桁違いの逆イールドといえる。
引き締め効果と銀行破綻リスクが共振ゆえの債券市場異変といえよう。
金価格は、不透明感強く、動かず。
話がFRBにからむことゆえ、当然、日銀も話題になるはずだが、一向に質問が出てこない。
筆者が、「植田総裁はサプライズもあると示唆しているが」と話を向けても、大胆な政策修正が出来る経済環境ではない、と決め込んでいる。
筆者の元トレーダーとしての感覚では、サプライズ演出なら「今でしょ」ということになるのだが。
なお、21日にはボスティック・アトランタ連銀総裁が、パウエル議長に異論を唱えるごとく、「年内、利上げすべきではない」と発言して注目された。
「利上げ効果が浸透するには6か月から24か月かかるので、私は点検結果を待つ心の準備がある」と語っている。
FOMC内の亀裂が早くも露呈した。市場は、今後のFRB高官発言にも注目せざるを得ない。
さて、今日の写真は、淡路島の玉ねぎ。
駅構内で淡路島マルシェやっていた。
淡路島には行ったことないので、機会あれば、行くつもり。
さすがに、淡路島でゴールドセミナーはないね(笑)