銀行不安で2,000ドル台を突破して、NY先物(6月)ベースでは、2,080ドル台と、あと一歩で史上最高値更新まで急騰していた国際金価格だが、GW中の5日に発表された4月雇用統計の結果が極めて良好な数字であったので、FRB利上げ継続論が再度台頭。
金市場では利益確定売りを誘発して、一時は2,000ドルの大台割れ寸前の水準まで急落した。

 

kitco

雇用統計が、5月FOMC0.25%利上げ決定で打ち止めとの観測に冷や水をかけた感がある。
6月利上げ継続説が台頭する可能性がある。
ここは、今後のFRB高官発言により検証されることになろう。


基本的には、銀行危機と米金融政策の二つの要因が共振して、金価格のボラティリティは激しくなり、CTAと呼ばれる超短期投機筋の草刈り場と化しているのが実態だ。
コモディティの視点では、需要サイドの中央銀行による金購入増加が、下値を支える構図だ。
なお、「最近の金価格は金利で説明できない」との議論もあるが、スプレッドシートばかりと睨めっこして、市場最前線の現場を知らないアナリストの頭の体操程度の話だ。
(市場は説明できないことだらけ。全部教科書どおり説明できたら、我々プロも苦労はしないよ(笑))


NY市場の金ディーラーは、まず、金利を見ている。
私も、まず金利を見る。
思えば昨年3月FRBがゼロ金利を解除して、0.75%刻みの高速利上げを実行している期間に国際金価格は下げ基調となり1,600ドル台まで下落した。
その後、2022年年末にかけ、利上げ幅縮小、利上げ停止、そして、利下げへの転換を市場が織り込み始めて、国際金価格は反騰したのだ。
そこに銀行危機が勃発。
上値抵抗線と言われた2,000ドルを突破する直接的要因となった。
但し、NY株式市場では、既に地銀株が反騰している。
銀行危機に乗じて、地銀株に空売り攻撃をかけるCTA(コモディティ・トレーディング・アドバイザー)が、はやくも利益確定の買い戻しに動いている。
今週は水曜日にCPI発表があり、そこで、また一波乱あろう。
円建て金価格は、為替が134~5円台の円安水準にあるので、今日も新高値更新である。


写真は、エッグタルト。

 

ノッサボーロのエッグタルト

夕方、店頭で最後のひと箱を買い求めた友人が送ってくれた。


それから、昨日夕方に東京の空を縦断していった巨大宇宙船みたいな雲。

 

東京の空を縦断していった巨大宇宙船みたいな雲

なお、5月FOMCの総括(含む金価格)についてYouTube豊島逸夫チャンネルで語った。
残念ながら、音割れが酷いが、まぁ、なんとか聞ける(笑)
せっかく、YouTube用のマイクを買って使ったのだが、どうもうまくゆかない。
GW中に新たな音声機材も購入してみた。
果たして次回の音声はどうなるかな。

https://www.youtube.com/watch?v=dHozhllK52Y&list=RDCMUCBRes-CRgMdMM0s2Rlu605Q&index=3