二日連騰のNY株。為替はドル反落気味。
その結果の金反騰。
これはホンモノか。


結論からいうと、パウエルFRB議長の金融政策に変更はなく、米国の利上げに他国の中央銀行が利上げ或いは介入で対応する構図も変わらない。
金に関しては、インフレという買い要因と利上げという売り要因が交錯する構図に変わりはない。
たまたまドル金利安・ドル安に振れたので、1,700ドルを突破した。
来年は利上げ不況で買いという見解も変わらない。
そして、今回の株高は、壮大なショートカバー(空売りの買い戻し)。
それほどに、先週までショートポジションが蓄積していた。
アップルが最大のショート・ポジションをかかえる銘柄という場面もあった。
先週、米国西海岸で開催された「投資会議」でも、ショートのキング(空売り王)のような人物の講話に聴衆が聞き入っていた。
そのような流れの巻き戻しが集中したベアマーケットラリー(弱気相場のなかの反騰局面)との位置づけが圧倒的に多い。
まともなファンドは、買いそびれている。
CTA(コモディティ・トレーディング・アドバイザー)とかアルゴ系とか言われる超短期筋が動いている。
デッド・キャット・バウンス(死んだ猫が跳ねること)という猫好きの筆者には堪らない表現が行き交う。
血の気が多く、アニマルスピリッツ丸出しのトレーダーたちだ。
株買いに一応の理屈はついている。
3回連続0.75%利上げの効果点検のため11月の利上げは0.25%あるいは一回休みで様子を見るべきではないか。
FRB高官発言でも、概ねパウエル路線の追認でも、「失敗するリスクもある」というくだりだけが切り抜かれ市場内を独り歩きしている。


クレディスイスの一件も、真相は闇の中だが、クレジットリスクに対応するため緩和が必要との議論が出やすい。
トラス英首相の減税案一部撤回のケースでは、英国の金利反落がNY市場に直ちに伝播した。
不安心理の伝染とも言える。
結局、株を買う理由付けは薄弱だ。
モメンタム(市場の勢い)主導といえる。
同様に、ドル売りも、ドカ雪の如く積もったドル買いポジションの表層雪崩に過ぎない。
根雪はドル高だ。
今週末には雇用統計、来週はCPIと重要な経済指標発表を待ちきれず、一人がフライングでプールに飛び込んだら、慌てて、他のスイマーも飛び込んだ如き様相である。
ここは冷静な投資家対応が必須だ。


以下は、今日朝イチでライブ配信したYouTube。


https://www.youtube.com/watch?v=P_zdNf7CKjM&t=6s


こういう形で、雇用統計ライブ、CPIライブも行うよ。