筆者のアーカイブを整理していたら、2011年発行の日経マネー ゴールドムック本が出てきた。
時代の差を感じるのは、巻頭対談のトピック。
一つは、プラチナ・パラジウムは同じ値段になる!?
当時のGFMS社ポール・ウォーカー氏との対談。
もう一つは、1ドル=50円説はアリでしょうか?
筆者の家族ぐるみの友人、尾河眞樹君との為替対談。
まず、プラチナは、その頃、790ドルから2,200ドルまで上昇していた。
対して、パラジウムは180ドルから500ドルへ上昇していた。
二つの白系貴金属の価格差から見て、プラチナとパラジウムの価格がパリティ(同じ価格)になるなど、誰も考えもしなかったので、当時のGSFM社ポール・ウォーカー氏の見解は新鮮であった。
彼の説は、プラチナは供給過剰が続き、パラジウムは供給不足が(当時で)16年間も続いているという論拠に基づいていた。
「プラチナ鉱石に含まれるパラジウムやロジウム、イリジウムの価格が急騰すれば、プラチナ生産は増える」と断定していた。
「最も成長が見込めるのは、パラジウムとロジウム」と2011年に読み切っていた。
その当時の市場で彼の予測は、「キワモノ扱い」であった。
銀、プラチナ、パラジウムは市場が小さいから、価格変動も激しく、今の市場の常識は長期的に通用しない。
貴金属市場のプロたちが皆外しまくっている。
昨年のプロ対談の、「失敗談を披露」するコーナーで、筆者も池水雄一君も、「プラチナがここまで金価格に比しディスカウントになることは見通せなかった」と謙虚に反省したところでもある。
それだけに、ポールの慧眼が光る。
次に、円高50円説。
冗談みたいな話だが、当時は真面目にその可能性が議論されていた。
筆者も尾河君も、「さすがに、それはない!」と否定したが、読者の間では根強い円高論が唱えられていたことを思い出す。
尾河君が「76円25銭の段階で協調介入が入った」ことは効果があったと発言。
当時から筋金入り円安論者であった筆者は「1ドル50円説など、本を売るためのキャッチフレーズ程度にしか受け止めていない」とバッサリ(笑)。
個人的には、協調介入の時の相場でドル預金したが、まさか、10年経って140円までつけようとは、さすがに想定はしていなかったね。
先日の日経YouTube「マネーの学び、ゴールド編」でも、この話題になって、筆者が、さすがに一部は利益確定しようか、などと呟いている。
その後、まだ、動いていません(笑)
まずは、今後、海外出張のときは、このドル預金のおかげで、ラーメン2,000円とかにはならない~。