土曜日午後7時半からのNHK番組といえば、通常は「ブラタモリ」だが、4月30日は特別番組で「四大化計画~世界は3つで語れない」が放映された。
そこで、世界三大貯蔵庫として、ノルウェーの穀物種子貯蔵庫とアメリカの動物遺伝子を保存する冷凍動物園、そして大量の金を貯蔵するNY連銀金庫が紹介された。
NY連銀のパートは、筆者もお手伝いしたのだが、さすがにゴールデンタイムの番組なので、かなり反響があった。
かなりの時間を割いてNHKスタッフに金のレクチャーをしたり、時間がかかった。
ブレトンウッズ体制とかを「ブラタモリ」の時間枠で視聴者に分かりやすく説明するのは至難の技。
例えば、以下のナレーションを作成するだけでも、かなり大変な作業になるのだ。
「一つ目はアメリカ『ニューヨーク連邦準備銀行』。ドルの発券を行う国の銀行である。
この地下に、大量の“金”が貯蔵されている。世界の中央銀行が保有する金のおよそ5分の1。
総量6,200トン。そのほとんどは、アメリカの物ではない。
世界の国々から預かっている。
そのきっかけは、第二次世界大戦。
ヨーロッパが戦場となった。
その結果、アメリカの経済力が世界において台頭。
1944年にイギリスのポンドに代わり、アメリカのドルを基軸通貨とすることが決定。
国と国の経済取引にドルを用いることになった。
B国がA国からドルで金を買う。金はB国へ。
C国がB国からドルで金を買う。金はC国へ。
売買の度、金を輸送するのは相当な手間である。
そこでニューヨーク連邦準備銀行に、各国が金を預け、その中で取引をするようにした。
金は動かないが、持ち主は変わっていく。
富の象徴、金。その輝きは永遠に続くのだろうか。」
通常、テレビで金が話題になるといえば、史上最高値更新などマーケット関連が殆どだ。
金を茶化すようなメディアの取り扱いも少なくないのだが、今回はまともに紹
介された。ただ、その歴史的背景などになると、あの時間帯の一般視聴者に説明するには、時間的にも限界がある。
まぁ、このような番組がキッカケになって、他の番組でも、話題になれば、金についての理解も広まることが期待される。
なお、筆者は、日経CNBCの現地ロケでNY連銀に行ったことがある。NY連銀金庫は一般にも公開されている。
それから、ロシアの金本位制移行の話題もあるが、これは様々な報道が交錯しているので次回に。
そして、連休中の5月3日4日には、今年の最大級イベント、5月FOMCがある。