私の高校時代にもお世話になった「山川 世界史」教科書を改めて読み直すと、ロシアとウクライナの歴史的関係が分かる。
東ヨーロッパに広がったスラヴ民族のなかの東スラヴ族に、キエフ公国が建設されたのが11世紀半ば。
その当時、モスクワ公国は、地図の上に小さな地域を占めるのみだ。(昨晩、プーチンが一方的に独立を承認した東ウクライナ地域や、既に併合したクリミア半島は、当時の地図では、キエフ公国の右側で白紙状態の地域になっている)。
しかし、13世紀にモンゴル人が侵入するや、約250年ものあいだ、キエフ公国は、その支配に服することになる。
しかし、15世紀のころから商業の中心地モスクワのモスクワ大公国が強力となり、1480年、イヴァン3世のもとでモンゴル人から自立し、東北ロシアを統一した。
彼はほかの諸侯をおさえて強大な権力をにぎり、ビザンツ皇帝の後継者としてツァーリの称号を用いた。
国内では勅令で全国の農民の移動の自由を奪い、農奴化を進めるなど、専制君主の地位をかためた。
こうして16世紀には、ロシアが東ヨーロッパの大勢力となったのだ。
かくして歴史を辿ると、クレムリンも、ロシア国民も、現代ウクライナの国境線が変わることなど歴史で繰り返された事と見ているのだろうか。


昨晩はNY市場が休場であったが、国際金価格は、ウクライナ情勢悪化を映し1,900ドル台に戻した。
当面、ウクライナ情勢をにらみ、1,900ドルプラス・マイナス20ドル程度のレンジで推移しそうだ。
原油価格もブレントが97ドルと100ドルの大台寸前。
ダウ時間外で400ドル超急落。
円相場は114円台半ばまで円高進行。
10年ドル金利は1.9%台で下落。
引き続き、マネーの安全資産への逃避現象が続く。

このような強いリスクオフの市場環境で、パウエルさんは、本当に3月利上げに踏み切れるのか。
ウクライナ戦闘突入ともなれば、原油価格も、ウクライナ生産国の小麦も値が上がり、インフレ率は高まるとの指摘もある。
筆者は、かりにウクライナ有事となれば、3月利上げは見送り、そのかわり、4月に0.5%利上げという線を考えている。
さすがに株暴落の最中に利上げは出来かねるだろう。
そうなれば、金歴史的高騰は3月まで続くが4月には反落というシナリオが視野に入る。
基本的に利上げ回数は、ウクライナ情勢とインフレ率動向を見つつ決めることになろう。
金利の影響は昨日の本欄で詳説したところだ。


と、書いているうちに、プーチン、ウクライナ東部、独立承認地域に進軍許可の報道で金1,912ドルに急騰中(朝8時時点)

 

kitco

それから、今朝の日経朝刊グローバルマーケット面に「国内の金 最高値 円の実力低下背景に 資産防衛で需要」の記事あり。