首題は、18日土曜日経朝刊「グローバル市場」面の記事見出しだ。
「インフレ先行き見えず、金利低下でも銀行株上昇、金に買い」と見出しは続く。
「中銀がインフレ退治に乗り出したのにインフレ耐性の強い金が買われた」と記事が疑問を投げかける。
「マーケットアナリストの豊島逸夫氏は『この状態(実質金利マイナスの状況)が続けば利上げにより金相場が大きく崩れることはない。
欧米の長期投資家もインフレ継続を意識して金購入に動く可能性もあり、来年は1,650ドルから1,950ドルの範囲で推移する』とみる」
更に記事は続く。
国内企業年金は「インフレが止まらない場合に備え、金のETFを買う準備を進めている」と明かす。
「いざインフレになったとき日銀は対処できるのか」と懸念を示す。
なお、今年の金ETFは88億ドルの流出過多で、21年は6年ぶりの純流出となりそうだ。


というわけで、筆者の2022年予測レンジについては、別の機会に詳説したい。
筆者が気になっていることは、パウエルFRBがタカ派に転じても、米10年債利回りが1.4%ほどに留まること。FOMCの予測では、今回の利上げサイクルで、最終的に政策金利が2%台前半に達する見込みなのだが、米国債券市場は、そこまで金利は上がらないと見ている。
本欄でも何回か書いたが、市場の見解とFRBの見通しには差があり、どちらかに収れんしてゆくことになる。
現状では、オミクロンにより行動制限が厳しくなり、経済が減速すると、利上げどころではなくなる。
或いは、インフレは今がピークで、鎮静化に動き始めた時期に、FRBが利上げを連発すると、インフレ率が下がり過ぎるリスクもある。
かと思えば、オミクロンがインフレ傾向を強めるリスクもある。
感染不安により供給網混乱や人手不足が悪化するからだ。
かくして、FRBは危うい綱渡りを強いられる。
インフレが下がり過ぎても、上がり過ぎても、金には買いのシナリオになる。
パウエル議長が、インフレでもデフレでもない適温経済を実現させれば金の出番ではなくなる。


さて、今日の写真は、タコの茹で上げ(蒸気が映っているかな)とカワハギと肝の組み合わせ@御茶ノ水、誠鮨。

 

タコ
カワハギと肝の組み合わせ

 

タコも今年は値が上がり「高級品」扱いらしい。