格付け会社フィッチが、中国恒大集団の長期外貨建て発行体格付けをシングルから債務不履行を意味する「RD」に引き下げた。
織り込み済みで、強い市場の反応は見られない。
ジワリ不安感は漂う。

中国では、債務不履行になっても、債務整理期間は長引き、その間、営業は続けられる。
恒大のケースは、「大きすぎて潰せない」から、地方政府が関与して、国策企業も巻き込み、債務不履行宣言されても、実質的なステルス救済となりそう。
中国流の債務不履行は、中国共産党の指導の下で長い期間に亘って進行する。
「共同富裕」構想のもとでは、巨大企業の救済は、国民の反発を買う。
それゆえ、みせしめ的に企業トップを何らかの理由で告発・拘束することになりそう。


現状の救済順位は、まず、恒大建設マンションを全額先払いで購入した人たち。
完成物件を引き渡すか、全額返金するか。これをやらないと、社会不安を引き起こしかねない。
中国共産党が最も嫌うシナリオゆえ、まず救済せねばならない。
それに比べ、外貨建て社債の保有者(主として外国人投資家)は、優先順位が低い。
既に、同社債は、額面の8割減くらいの価値まで下落している。


マクロ的には、不動産関連セクターが中国GDPの29%程度を占め、個人資産運用では不動産が半分以上の割合なので、不動産セクターバブルの影響は大きい。
不動産バブルを防ぐために、これまでは、不動産取引に様々な規制をかけてきたが、このままでは、不動産セクター不況が中国経済全体の足を引っ張りかねない。
そこで、中国人民銀行は銀行の預金準備率引き下げという追加的金融緩和策を発表した。
この追加緩和は、不動産バブルが再燃しかねないリスクを孕むので、苦肉の策である。
今回の中国人民銀行の追加緩和は、人民銀行は反対であったが、共産党からの指示で、やらざるを得なかった。
不動産バブル再燃を危惧する中国人民銀行に、党が政治的に介入して、不動産業のテコ入れを重視したのだ。
同時に、中国人民銀行の幹部が「職務怠慢」で吊るしあげられたようだ。
現政権は、巨大化する中国の大企業が、党の支配の及ばぬところで、事業を拡大していることを懸念して、かたっぱしから解体に動いているところだ。
中国人民銀行も、政治的に独立することは、欧米と異なり、中国では、ありえない。
恒大問題は、中国のかかえるジレンマを次々にあぶり出してゆく。


さて、今日の写真は若狭カレイ一夜干し。
ほっくりして、身が厚く、上品な旨味。今が旬。
甘塩でゆっくり干しあげる。
じっくり焼いて、こんがりキツネ色がついた頃が一番美味。

 

若狭カレイ一夜干し