注目の10月米消費者物価上昇率は年率6.2%と、30年ぶりの高水準。このCPIショックは金市場を直撃。金価格が乱高下した。
まず、インフレ懸念により金がインフレヘッジとして買われ、一時は1,870ドルが視野に入る急騰。
しかし、CPIショックの第二波が米債券市場を直撃するや、政策金利に連動する2年債利回りが前日0.4%台から0.5%台に暴騰した。
一日の上昇率が20%に達したのだ。これは、市場が利上げを織り込む動きといえる。
ここで、金価格上昇は頭を叩かれ、1,840ドル台まで急落。
まさに、インフレヘッジの買いと利上げを嫌う売りが交錯した。
それでも、金価格の水準は切り上がったといえる。
次の注目点は、パウエル議長はじめFOMC参加者が、このCPIショックに関して、講演などで、どのように語るか。
タカ派は、それみたことか、とばかりに、2022年2回利上げを語るであろう。
問題は、パウエル議長だ。これでも、インフレは一過性として、利上げには慎重な姿勢を崩さないのか。市場は是非とも確認したいところだ。
最終的には、12月FOMC時に発表されるドットチャート(参加者の金利予想の分布を示すグラフ)で明らかになろう。
もう11月ゆえ、12月FOMCの時期も近い。
利上げ論がヒートアップすれば、1,850ドルがレンジの上限になり、金売りが優勢になる可能性もある。
対して、これでも利上げには、程遠いとされれば、経済過熱が懸念され、インフレヘッジとして金が買われ、1,900ドルも視野に入る。
なお、CPIショックで、外為市場では、ドル高・円安が進行している。
円建て金価格は下がりにくい地合いが続く。