金プラチナ値幅縮小加速
金、プラチナ、銀の3日間価格グラフを添付した。緑線が本日。
プラチナ、銀の上げが鮮明だ。
小さな市場に投機マネーが束になって襲い掛かる。このような傾向が新常態として顕在化してきた。株では小型株。貴金属市場ではプラチナや銀。それぞれ、水素系新規用途、電気自動車需要など言い分はある。その買い材料が現実になるのは、まだ将来のことだが、過剰流動性は、先取りして買いに動く。果たして、現実になる日まで何年も「期待感」だけで高値水準を維持できるのか。新常態の投機マネー主導ゆえ、これまでの業界の常識では計れない動きが無視できず。仮に筆者の「希望的観測」どおりプラチナ2000ドルになって、その後、何年も維持できるか否かは視界不良としかいいようがない。
今日は、日経平均もコロナ禍で3万円の大台をつけた。
以下はマクロ・マーケット動向。
本日15日は、NY市場休場。日本時間明日16日夜にNY市場再開となる。日本時間月曜と火曜日中時間帯は、世界の過剰流動性の受け皿として日本市場が急浮上している。高速度取引の時代に48時間あれば、様々な仕掛けが可能だ。
株価は短期調整必至だが、基本的に高値圏を維持しよう。有事対応の金融財政政策による過剰流動性は変わらない。
日本株に関しては、東京五輪中止リスクがつきまとっていた。しかし、組織委委員長問題により、はからずも「東京五輪はオール・ジャパンで開催強行される」との認識が出てきた。五輪商業化傾向は世界的に顕著で、日本も例外ではない。誰が新委員長になろうと、五輪中止だけは日本政府にも多くの日本企業にも「あってはならぬこと」ゆえ、強行開催に動くとの見立てである。但し、変異ウイルスの急激悪化シナリオは捨てきれず、「株の宴」に参加するものの、依然、会場出口近くに陣取る姿勢は変えていない。
なお、コロナ禍で日経平均3万突破という現象は、株式投資が異次元の新常態に入りつつあることを示唆している。レディット・マネーがその典型だが、今や、株価指標・企業業績・金融政策・チャートなど過去の経験則やファンダメンタルズを無視した投資家集団が市場内の一勢力として無視できなくなってきた。さすがに投資家交流サイト「ウオールストリート・ベッツ」で日本株が語られることはない。しかし、AIやアルゴリズム系の投資集団は、これまで非現実的と考えられていた株価レンジでも、積極的に売買を仕掛けてくる。一般投資家は、自らのリスク耐性を見極め、鍛えられた胆力あれば相場に乗り、なくば傍観に徹する姿勢が肝要だ。更に、乗ってゆく場合でも、常に出口で降りるタイミングを意識して、決断は、遅きに失するより、早すぎて得べかりし利益を取り損なうくらいのほうが良い。なお、ポートフォリオの中で株の運用配分が突出してしまうケースも増えているが、ここは、冷静にリバランス(基本的運用配分率に戻す)も考えるべきであろう。コロナの行方を見通せる人物は、未だ世界で誰一人いない。