米素人集団、ヘッジファンドを締め上げ、勝利宣言

自宅待機で時間を持て余すミレニアル世代の若者たちが、SNSチャット・サイト上で団結して、ヘッジファンドの空売りを締め上げた。所謂ショート・スクイーズ(踏み上げ)である。
いかに呼びかけに応じ束になって手向かったとはいえ、巨額の資金力を持つヘッジファンドを、どうしてタジタジに追い込めるのか。
ポイントはオプションの活用だ。
コール・オプションは、少ない元手で一定期間、特定の株価で株式を購入できる権利を得る。顧客が払うのはオプション・プレミアムと呼ばれる掛け捨て保険料だけだ。従って、損失もその保険料の範囲に限定される。
NY株式市場では、ゲームストップというビデオゲーム小売りチェーンの株式が標的にされた。同社株はヘッジファンドが空売り攻勢を仕掛けている。
そこで、個人投機家集団は同社株のコールオプションをSNS上の呼びかけに応じて買いまくったのだ。それも、保険料の安いコールオプションが狙われた。現株価を大幅に上回る株価を買う権利などは、実現可能性が低いから安く買える。業界では「ポンカス」と呼ばれるが、宝くじのようなものだ。従って、自宅待機で時間を持て余す投資初心者でも十分に買える範囲である。
では、これで、なぜ、空売り仕掛けたヘッジファンドが慌てふためくのか。
ポイントは、個人顧客集団に大量の「ポンカス」コールオプションを売った業者側にある。
いくら実現性が低い価格で「買う権利」とはいえ、総額が膨らむと、万が一に備え、ヘッジでゲームストップ株を買っておく必要が生じるのだ。
昨日のようにバッタの集団のごとく買い注文殺到となると、心理的にもヘッジせねば、との緊迫感が高まる。
その結果、株価がジワリ上がり始める。そうなると、個人投機家の買った「同社株を買う権利」の価格も上がり、更に、新たな買いを誘発する。すると、業者側も更にヘッジの買いを増やす。買いが買いを呼ぶ連鎖で、昨日は短時間で数十%も急騰。
そこで、個人投機家集団はコール・オプションの見切り売りに動く。同社株価は急落。
この個人投機家集団の異常な動きはここ数日見られたが、昨日ピークに達した感がある。
ビットコインを凌ぐほどの価格変動性(ボラティリティー)ゆえ、NY証券取引所は一日9回も同社株式売買停止措置を発動せざるを得なかった。
バリュエーションなど全く見ない初心者軍団ゆえ、プロも持て余す。
株式市場をマクロで見れば、一部での異常な動きと片付けることも出来る。
しかし、昨日は、この余波が、例えば、老舗百貨店メイシーズやフォードなどにも飛び火の兆候が見られた。
そもそも、このような投機行為が常態化すれば、無視できない存在となろう。
SEC(証券取引委員会)も事態を重く受け止めているようだ。
バイデン新政権人事により指名された「規制の凄腕」ゲンスラー新SEC委員長の初仕事になるかもしれない。
「株価バブルの醜い(ugly)な結末を暗示」する如き異常な展開ゆえ、昨日のウオール街は、この話題で持ち切りであった。
こういう異常現象は、今後、NY金市場でも起きる可能性がある。

ここで使われたサイトがreddit(レディット)という「なんでもお助けサイト」なのだが、実に便利。「あれ、あれ、あの人、名前、ど忘れした。」というとき、状況を書き込むを、それってxxさんのことじゃない、とか答えが返ってくる。投資、住宅ローンから観葉植物まで、幅広いコンテンツだ。
さて、昨晩はマガーリ@自由が丘から、お取り寄せで、イタリアンを注文した。
まずは、ラザーニャ。(ひさびさに料理写真添付)。二人用650グラムで2600円。そして揚げピザ。
これが絶品。こういう基本的な料理にシェフの実力が出るのだよね。
お家で、レストラン気分になれて満足。気分も盛り上がったよ。
揚げピザは明日ね。
 

 

ラザーニャ