この問題が勃発してから、セミナー講演で参加者の個人投資家の意見を聞いた。
更に、セミナーなど無縁な市井の人たちとも本音で語り合う機会があった。
殆どの人たちは、さほど驚いていなかった。
年金だけでは、まともな生活は望めないことくらい、とうに承知である。
「年金100年安心」など誰もはなから信じていない。
ただ、直ぐに行動しなくては大変なことになる、という切迫感は薄かった。
いずれじっくり考えてみよう、というスタンスで、日常生活の喧騒のなかで置き去りにされていた問題といえるだろう。
それゆえ、今回、お粗末な政治の駆け引き材料になり、メディアが報道したことで、いよいよ勉強しなくては、との切迫感が醸成されつつある。
とはいえ、信頼できる相談相手がいない、本を読んでも理解できない、という。
そこで、例えば、FPという存在を紹介すると、「初耳」「誰それ」という反応が多い。
資格を持ち個別に相談にのってくれるアドバイザーというと納得するのだが、タダではない、というと、とたんに腰が引ける。
おカネの相談などは、タダのサービスが当たり前と考えている。
無料相談のほうが、特定の商品セールスの紐付きが多いと言っても、とにかく無形の情報への対価を払うと「損した気持ちになる」。
困ったものだ。