バイデン優勢、議会はネジレ、市場は混とん
ウイスコンシンとミシガンに相次いでバイデン当確が打たれ、現在バイデン・リード中のアリゾナとネバダで逃げ切れば、バイデン当選の道筋が見えてきた。ペンシルバニアで負けても勝算が見込めるので、バイデン氏は勝利を楽観する演説。対するトランプ氏は猛反発。ウイスコンシンの再集計、ミシガンの開票停止を要求して、最高裁での法廷闘争に持ち込む構えだ。このまま、すんなり選挙結果が確定するとは到底思えない。最終結果は来週に持ち越される可能性もある。
このような選挙情勢のなかで、株式市場は、先走り気味に、バイデン勝利とネジレ議会継続のシナリオを好感している。バイデン氏の大型リフレ政策と、上院共和党のバイデン増税反対が期待できるからだ。いいとこどりと言える。バイデン・リフレに上院共和党が待ったをかける可能性もあろう。
金市場は、方向感掴めず、1900ドル前後で様子見の姿勢だ。膠着というか「安定」というか。
債券市場では。法廷闘争長期化リスクを懸念して米10年債利回りは0.7%台後半に下落している。選挙前はブルーウエイブを見込み0.9%台まで上昇していた。
このような市場環境で、長期投資家は、バイデンでもトランプでもリフレ政策は期待できるので、ジワリ株買いに傾いている。2021年のインフラ投資は、民主党のほうが大型になるが、共和党も考慮すると見られる。投資家の警戒感を示すVIX指数も一時は危機水準の40を突破していたが、今や29まで下落した。
情勢の急変に振り回されているのがヘッジファンドだ。
トランプ優勢が伝えられたときには、バイデン・リフレ・トレードの巻き戻しに動いた。ところが、バイデン優勢となるや、同トレードの再稼働が視野に入る状況だ。
日本への影響としては円高が気になるが、大統領選長期化リスクがつきまとうので、NY外為市場では「低リスク通貨」と見なされる米ドルが買われる傾向も無視できない。バイデン・リフレが顕在化すれば、米10年債利回りも再上昇するので、ドル買い圧力が強まる。当面は円高トレンドにもブレーキがかかりやすい市場環境である。
ドルも決定的方向性を欠くので、ドルに反応する金も動意薄。
とはいえ、今日はFOMC,明日は雇用統計と重要イベントが控える。
市場エネルギーがマグマのごとく溜まっているので、噴出し始めると「大噴火」となりかねない可能性を秘める。
筆者は、米大統領選がこのザマだと、基軸通貨=米ドルへの信認が薄れるのではないか、と見ている。接戦のジョージア州では、水道管破裂事故で10万人以上の郵便投票開票が大幅に遅れた。最大の先進国の大統領選挙とは思えない。お粗末!こんな選挙で選ばれた米大統領の権威も薄れるだろう。
今日の写真は、秋だね~~ポルチーニ茸@マガーリ、自由が丘。
こんな状況でも、マダムとシェフは元気に頑張ってるよ。