どうなる、ナスダック・バブル、金に波及も
誰が見ても過熱と思えるアップルなど米国大手IT銘柄の爆上げに先週後半、歯止めがかかった。
そして米国労働者の日(レーバー・デイ)3連休明けのNY株式市場、特にナスダックの帰趨が注目される。
短期的な調整に過ぎず、上げ基調は続くのか。
はたまた、ナスダック・バブルはいよいよ弾けるのか。
もし、後者であれば、株式市場で大怪我した投資家が、手持ちの金の換金売りに走る可能性もある。株安→金安のシナリオだ。これまでは株高→金高となっていたので、その巻き戻しともいえる。
しかし、FRB量的緩和で大放流された過剰流動性がいきなり消えることはない。太平洋を回遊する魚の如く、株にも金にも流入を続けるシナリオに現実味はある。経済の実体から遊離した株高ゆえ、バブルと言ってよかろう。金高も需給からは遊離しているバブル的局面だ。
このナスダック・バブルに直接的関与が指摘されているのが前回本欄に書いた「ソフトバンク」である。米国主要IT銘柄のコール・オプションの含み益は4000億円相当を超えるとされる。同社が、ここで売り手仕舞いに走れば、ナスダックは大幅に続落しよう。米大統領選挙という政治的不透明要因もかかえ、これまでの株買い、金買いポジションが連鎖的に巻き戻される可能性はある。連休明けNY市場が注目される所以だ。ソフトバンクの株買いに関しては、まだ全貌が確認されておらず、蓋を開けてみないと分からない。
いずれにせよ、株も金も、きな臭い、そしてボラティリティー(価格変動)が激しい9月相場になりそうだ。
相場波乱を告げるかのように日本列島を襲う熱帯性異常気候も不気味である。9月に入っても35度以上の酷暑がまだまだ続きそうだ。「残暑」と言うより、未だ真夏が継続している感がある。昨日、東京地方でも、晴れが突然激しい雨となり、5分程度でまた晴れに戻るという、異常気象現象が数回も繰り返された。これまた「通り雨」と言う語感より遥かに激しい短期性降雨の波状的直撃だった。晴れていても傘というヘッジが手放せない。
そして、金は嵐の晩に輝く、と欧州では言われる。金というヘッジも欠かせまい。
なお、次期首相選出という日本の政局は、欧米市場でスルーされている。ソフトバンクのほうが遥かに注目度が高い。