感染者急増

日本のコロナ情勢も第二段階に突入。深刻な事態です。本欄でも、東京の感染者数が100人の大台を突破したとき、NY型のウイルス・アウトブレイク(爆発)懸念に言及しましたが、絵空事とは言えない状況です。日本経済もピンチ。今後、拡大均衡は望めず、縮小均衡を覚悟せねばなりません。実体経済が縮小してゆく過程では、日銀は未曽有の量的緩和を続けざるを得ないでしょう。経済規模が小さくなるのに、市中に流通するマネーの量は激増したまま。一万円札の有難みが減じるのは必至と言えます。改めて「刷れる円・ドル、刷れない金」を意識せざるを得ません。
メディアからの取材でも、これからインフレかデフレかを聞かれることが増えました。
これまで日銀が量的緩和を継続してきても、物価上昇率は目標の2%に達しないのですから、今後もデフレ或いはディスインフレが続くでしょう。しかし、現在、コロナ有事対応でばら撒かれているマネーは、過剰流動性と化し、株価など資産価格を上昇させます。更に、その影響が消費者物価に波及することが不可避でしょう。それがインフレとなる時期は、まだ2-3年先。2021年前半までは、市場で強く意識されることはないと思います。現時点では、遥か水平線上にインフレの積乱雲が目視される程度です。その間に、投資家はインフレヘッジを構築すべきでしょう。積乱雲から雷音が聞かれるような状況になれば、マーケットも一気に警戒感を高め、一転インフレヘッジに動くでしょう。
マネーは、まず物価連動国債、そして、実物資産に流入することになります。
特に、最近の市場は、とにかく早め早めに先取りして動きます。個人投資家にも迅速な対応が必要となります。
金高騰も、既に、一部のマネーが先取りで動き始めている事例だと考えられます。金市場を外から見ているプロたちの間でも、不気味な兆しと見る人たちが増えてきました。筆者のところにも、プロから金高騰はホンモノか、との問い合わせが急速に増えています。
コロナ感染拡大で、まずはなんといっても命を守る。そして次に財産を守る。この発想は必須でしょう。