国際金価格、1760ドルに急騰
週明け、いきなり、国際金スポット価格が1760ドルまで急騰中です。日本時間月曜の午前中ゆえ、まだ、NY市場オープンには時間がありますから、まだ短期的にどちらに転ぶか分かりません。
要因はこれまでと変わりません。
コロナ関連では、米国各州が相次いで経済部分再開に踏み切りましたが、その直後から、軒並み、感染者数が増えています。これは日本にとっても他人事ではありませんね。ちなみに、米国のインディアン居住地域(アリゾナ州など)でクラスターが生じました。
そして、米国小売り大手JCペニー破綻。ニーマンマーカスに次ぎ、小売り業が力尽き破産に追い込まれてゆきます。「破綻しない資産」である金の買い要因になります。
デフレ基調も上げ材料です。金といえばインフレに強い資産ですが、デフレでも企業破綻の連鎖が生じると、金が買われる理由になります。ゴールディロックスといわれる、熱過ぎでも寒過ぎでもない(インフレでもデフレでもない)状況だと、金も出番はありません。ディスインフレ(緩やかな物価下落)でも、企業破綻まで悪化しなければ、金の出番無しです。
金融政策については、米国日曜の長寿報道番組CBS「60minutes」にパウエル議長が生出演。「ワクチンの開発なくしては、経済悪化は長期化する。FRBも色々な策を講じる」と発言。金市場は、FRB追加緩和の可能性のほうを重視しています。とはいえ、残る金融政策として、まずマイナス金利導入が考えられますが、これはFRBが否定しています。日欧で導入したが、成果上がらずとの判断です。残るはイールド・カーブ・コントロール(これは話が専門的になるから割愛)。そして量的緩和。これは、既に「無期限でやる」意図を表明していますが、更に踏み込んで「月1000億ドル」とか量と期限を具体的に明示(フォワードガイダンス)する方法が考えられます。
そして、米中半導体戦争。トランプ大統領はファーウエイへの半導体供給禁止を強化。台湾の半導体最大手TSMを促し、米国内に半導体工場を設立することで、米国の半導体国内供給体制を敷く計画です。5月22日に全人代を控える中国は猛反発。中国国内の米国企業アップルなどを「不適切企業リスト」に載せ、規制強化の動きを示唆しています。
かくして、金を買う材料は数多あるけれど、一方で金を売る材料は少ない。ドルインデックスが100の大台に乗っていて、世界的にはドル高基調ということぐらい。日本では円高と言われますが、NYで安全通貨はやはり米ドルとの意識が強いのです。
恐怖指数といわれるVIXは31。
一時より低下していますが、30超は依然危機水準です。
ドル円の動きは狭いレンジに終始しているので、円建て金価格の変動も国際金価格を素直に映す地合いです。
私のアドレナリンも全開になってきました笑
1700以上は金バブルですが、米大統領選挙まではバブルは続くとの認識は変わらず。