連休中の国際金スポット価格は1700ドルを挟みプラスマイナス20-30ドル程度のレンジで推移した。

昨晩は1684ドルから1724ドルまで急騰して1710ドル台の動きになっている。

昨日のNY市場では、米国2年債利回りが過去最低の0.13%まで下がった。2年債利回りは政策金利(FFレート)との相関が強いので、市場では、限りなくゼロに近い水準まで急落した2年債の動きが、いよいよFRBもマイナス金利導入か、との観測を生んだ。パウエル議長以下FRB幹部はマイナス金利導入を否定している。同政策は副作用として銀行経営にダメージを与えるからだ。そもそも、日本も欧州もマイナス金利導入しても、さしたる成果を上げていないので、FRBは導入を渋るわけだ。しかし、市場は、FRBの更なる追加緩和の切り札としてマイナス金利を期待する。

かくして期待先行だが、マイナス金利ということになると、金利を生まない金には追い風になるので、金価格上昇要因となっている。

更に、ドル金利が下がると、ドル安になり、これまた金の買い要因となる。

加えて、米国がコロナウイルス発生の責任を中国に取らせる動きを強めていることも金の買い要因となった。中国に損害賠償を要求するとか、制裁的に関税を引き上げるとか、更には、中国が保有する米国債を償還して、キャンセルするなどの策が候補として並ぶ。中国は5月22日に全人代を控えているので、国内向けに弱腰は見せられない。かくして、米中貿易戦争が、米中コロナ遺恨試合の様相になってきた。米中閣僚級協議で打開策を模索するようだ。

依然、金価格に上昇圧力をかける要因には事欠かない情勢だ。