突然の円安は、欧米市場でも注目される現象となっている。
10-12月期と1-3月期と2期連続でマイナス成長が続けば、日本は市場内で「景気後退入り」を宣告される。
これまで、日本はジャパニフィケーション(Japanification)という用語で、低インフレから脱却できない国の代表格との刻印を押されてきた。
しかし、マイナス6.3%という数字と、新型肺炎の国内感染拡大懸念により、「陽沈む国=サンセット」という有り難くないレッテルを貼られつつある。
「ここまで頑張ってきた日本経済だが、いよいよcapitulation(=降伏)の時期が来る」という悲観論に接する機会が増えた。
東京オリンピックが開催されるのか、との議論が欧米市場でも交わされている。
FT(ウォール・ストリート・ジャーナル)とWSJ(フィナンシャル・タイムズ)がほぼ同時に「アベノミクス終焉懸念」を社説で論じるのも異例のことだ。
「円をもはや安全通貨と言うことは出来ない」との見方が急速に市場内で拡散中だ。
まさにこの2週間ほどの急展開だが、ヘッジファンドには円売りを仕掛ける絶好のタイミングと映る。
「日本売り」とも言えよう。
一時語られた、「日本株を持たざるリスク」も今や「日本株を持つリスク」に変わった。
円については「市場センチメント」による円売りが続きそうだ。
ドル円市場の景色は激変した。


そしてNY金は1,620ドル台まで続騰。モメンタムとしかいいようがない上げっぷり。
加えて、円は112円前後。
円建て金価格は連日100円前後上がっている。
全ては、コロナウイルス次第。
中国が企業向け貸し出し金利を4%に引き下げたが、焼石に水。
そもそも豚肉・野菜高騰で物価上昇率が5%を超えているので、そこに通貨供給増やせばインフレになる。
景気後退とインフレが同時に進行するスタグフレーションは全員負けのシナリオだ。


米大統領選挙は民主党候補として富豪のブルームバーグ氏が参戦。
4兆円相当という巨額を投じての選挙戦を開始。
他の民主党候補は「選挙はカネで買えない」と反発。何人もの候補者が足の引っ張り合いで、トランプ大統領は「高みの見物」。
新型肺炎関連では、国内感染拡大国との理由で、日本への渡航制限が、レベル1からレベル2へ引き上げのようなカタチで出始めた。
日本円買いも「自粛」などあり得ないが、敬遠されている感じ。
友好国も、なんとなく遠慮がちに距離を置く姿勢が感じられる。

 

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