トランプ大統領が「米中交渉の期限はない」「2020年大統領選挙後まで待つことも」と発言したことで12月相場二日目も株価が続落。
NY金は3日に安値1,459ドル、高値1482ドルのレンジで急騰した。
1,470ドル台後半で推移している。
市場の関心は、12月15日に発動が予定されている対中追加関税第四弾が強行されるか否か。
トランプ氏にとって、関税カードは大統領選挙に使える「武器」なので、ちらつかせつつ、出来る限り温存したいところであろう。
中国側が米国農産物輸入と知的財産権保護に関する実効性ある措置をコミットすれば、その「見返り」として追加関税撤回を考慮するとの姿勢だ。
いっぽう、中国側は追加関税が撤回されれば、米国農産物輸入も知的財産権保護策も一定のコミットを与えるとのスタンスなので、なかなか両者が折り合わない。
第四弾追加関税は、スマホ、パソコン、玩具など消費財中心に計1,600億ドル分に15%の関税を上乗せするので、米国人消費者にも「痛み」が及ぶ。
それゆえ、市場への影響も必至だ。
マーケット内の感触としては、先週までは8割方「延期または撤回」の期待を込めた楽観論が支配的であった。
最終的には米中「共倒れ」は回避するとの読みだ。
しかし、今週に入り、にわかに雲行きが怪しくなってきた。今や、市場内の感触としては五分五分というところであろう。
その背景としてNY株価が既に最高値を更新中という状況が挙げられる。
トランプ大統領は、当然、株価上昇を自画自賛すると思われた。
しかし、トランプ氏は、敢えて株価最高値を誇らしげに語ることはなかった。
逆に、3日に株価が下落している時点で「この程度の下げはピーナッツ=大したことない」と語り、株価反落を容認したのだ。
そこには、株価形成の主導権を握ったトランプ氏の株価操縦術が滲む。
先週のようなペースで株価が続騰すれば、大統領選挙で重要な予備選が重なるスーパーチューデー(3月3日)頃には自律反落のリスクがある。
そこで、現時点では敢えて相場を冷やすことも厭わず、3月3日まで高値圏を維持したい、との思惑が透けるのだ。
そうなると、12月15日の追加関税も15%程度の関税率なら発動されても、株価には悪影響を及ぼすが、最高値圏には留まる、とも読める。
3日のNYダウ平均株価も、トランプ発言を受け、一時は前日比470ドル安まで沈んだが、結局280ドル安まで戻して引けた。
下がっても安値は買われ、最高値圏は維持している。
この関税率が仮に30%程度に引き上げられれば、株の上げ相場も壊れるであろう。
金は1,500ドル視野の上昇シナリオとなる。
最終的な決断は気まぐれなトランプ氏の胸一つである。
今や、ホワイトハウスに「殿ご乱心」と留められる重要人物はいない。
3日にはロス商務長官がテレビ生出演していたが、ひたすら、「大統領の意向」を繰り返すのみであった。
日本へのリスクも気になるところだ。
米中協議は長期化の様相が濃く、更に対EUとも一戦を交えたあとに、日本が標的になる可能性はある。
日米通商協議「第二段階」は先送りされているのだ。
いかに「シンゾーはグッド・フレンド」と言っても、こと大統領選挙に関わることになれば、「話は別で譲れない」との威嚇発言が飛び出しても不思議はない。
それがトランプ流である。
特に弾劾問題ではトランプ氏も相当に苛立っているので、支持率が下がるような局面があると、気性の激しい大統領ゆえ、何を言い出すか分からないリスクがある。
最近は、日本時間の早朝から午前にかけての時間帯で、新たなトランプ発言が材料視される事例が出てきた。
日本市場も常に身構えざるを得まい。
写真は久しぶりに行った六本木ミッドタウン・虎屋での季節の生菓子。
柚形で白餡入り。相変わらず芸術的な出来で、食べるのが勿体ないくらい(笑)
12月相場大荒れ模様で、甘さが疲れたカラダに沁みるねぇ…。
血糖値上げないと頭の回転もイマイチとなるのだ、私は。
ふと虎屋の店内を見まわしたら、スイーツ男子というか、甘物系おじさんたちが目立った。
かと思えば、吉野家で若い女性が牛丼かき込んでいたりして、これが時代の流れか。
そういえば、純金積立に若い男女急増という記事を見かけた。
やはり老後2,000万円問題が勃発してから顕著な現象。私もセミナー会場で実感していることだ。
20代の女性が「老後に備える」と語る。
「桜の会」で重要審議がストップする国ゆえ、一般個人の危機感も強まる様子がうかがえる。
沈みゆくタイタニック号のなかで「責任者は説明責任を果たせ」と叫ぶ乗客の群れのごとし、と海外では皮肉られているのだよ。