今や、日銀が日本株の最大株主という現実。ユニクロの筆頭株主が日銀、と言われると、中国のような話か、と思ってしまいます。
黒田日銀が量的質的緩和政策の一環として始めた「奇策」ですが、これを欧州中央銀行も導入する可能性がある、という話が以下の原稿です。
 
 
25日にはECB理事会が開催される。今回は、主要中銀が緩和競争を演じるなかで、ECBの追加緩和策について様々な憶測が市場には飛び交っている。
まず、量的緩和再開。寄合所帯のECBには各国国債購入につき制約があるが、ドラギ現ECB総裁は、柔軟な対応を示唆している。
次に、マイナス金利の深堀り。現在のマイナス0.4%を更に引き下げると、「副作用」も懸念されるが、ドラギ氏は、この懸念について多くを語らない。
更に、今年再開された資金供給オペ第3弾(TLTROⅢ)。
この追加緩和政策メニューに、ラガルド次期ECB総裁は「株購入」も加える可能性が市場では期待されている。
本欄7月4日付「NY株最高値、金も依然高値圏」でも、こう記した。
「ラガルド・マジックのネタとして、ECBによる株購入の可能性は、選択肢の一つとして市場では意識されている。
既に社債は購入しているので、拡大解釈すれば株購入もあり得るという期待感を込めた議論だ」
そして、7月22日のFT紙に、ブラックロックCIOのリーダー氏による「ECBは株購入で欧州全体の成長を加速しうる」と題する寄稿が載りマーケットの話題となった。
「債務のコストである金利の引き下げ余地は限定的ゆえ、欧州企業の株式発行コストを下げるほうに重点を置くべし。
ECBの株購入は各国の経済事情を勘案して、各国政府と個別に協議のうえで実行すべき。
株式市場のテクノロジー・セクターを中心に、教育、イノベーション、起業を対象とする。
教育面では、若者失業率を減らし、失われた世代を救う効果が期待できる。
ラガルド氏には、長期的観点から、欧州の経済停滞脱却を期待したい。」と述べている。

日銀の株ETF購入にも触れ、「問題はあるが、恩恵をもたらす政策ツール」と位置づけ、日欧の経済事情は異なると、一線を画す。
日本最大の株主になるほどの日銀株購入を問題視しつつ、一定の経済効果を認める意図が透ける。
かくして、今後、ECB株購入の可能性に関する議論は続きそうだ。
ラガルド次期総裁デビューのお土産となるかもしれない。
特に、エコノミストではないが、IMF専務理事時代に築いた広範な人的ネットワークを駆使する政治的能力が、ラガルド氏の強みだ。
自由な価格形成を重視する欧米市場では、中央銀行の株購入は「禁じ手」扱いされてきた。
それゆえ、政治力が必要な根回しには適任の新総裁誕生に、市場の期待感は強まろう。
日銀の追加緩和議論にも一石を投じる可能性がある。

以上


かくして、中央銀行の株購入が広がると、いっそのこと、金をもっと買ったら、と言いたくなりますね(笑)
紙幣は刷れるし、株は増資できるけれど、実物の金は刷れませんからね。


さて、今日の写真は、フカヒレ、蟹スープ入り。
コッテリして、蒸し暑い気候に合う贅沢な一品をいただき、幸せでした~~。

フカヒレ蟹スープ